2011 Fiscal Year Annual Research Report
イギリス・ルネサンス期文化におけるジェンダーと女性の主体構築の表象とその変容
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21520281
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Research Institution | Tokyo Woman's Christian University |
Principal Investigator |
楠 明子 東京女子大学, 人間科学研究科, 教授 (40104591)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原 英一 東京女子大学, 現代教養学部, 教授 (40106745)
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Keywords | シェイクスピア / エリザベス朝演劇 / メアリ・ロウス / ジェイムズ朝 / エリザベス朝 / 女性作家 / イギリス・ルネサンス文化 / 18世紀イギリス文化 |
Research Abstract |
研究代表者は、平成23年度の研究課題の一つであったイギリス・ルネサンス演劇の、特にシェイクスピア劇の女性登場人物(当時は少年俳優によって演じられた)についての著書、『シェイクスピア劇の<女>たち少年俳優とエリザベス朝のポピュラーカルチャー』を2012年3月に脱稿し、みすず書房より7月初旬刊行予定で、現在、ゲラの校正中である。 2011年7月16日から1週間、プラハ(チェコ)で開催された第9回国際シェイクスピア学会大会に出席し、7月21日にはイギリス・ルネサンス期の女性劇作家を扱うパネルで、イギリス初の女性作家Mary WrothによるLove's Victoryと、シェイクスピア作の悲劇『ロミオとジュリエット』との比較を発表した。このパネルは好評を博し、パネルメンバー以外の研究者も招き、Marion Wynne-Davies教授(英サレイ大学)とAlison Findlay教授(英ランカスター大学)を編者に、Mary Wroth and Shakespeareという論文集をAshgate出版社(英)から2013年末に出版することが決まった。 プラハ国際学会大会での発表に備え、事前に渡英し大英図書館で発表論文についてのリサーチをした。 また、国際学会大会後はロンドンに戻り、2013年末脱稿予定の研究代表者による英語の著書(Palgrave Macmillan刊行)執筆のための第一次資料のリサーチを1週間行なった。この間、現在、編者の一人として編纂中の『ケンブリッジ世界シェイクスピア百科事典』(2013年刊行予定)について、他の編者と打合せをした。 研究分担者はシェイクスピア劇が女優によって演じられた王政復古期・18世紀のイギリス演劇に焦点を当て、特に社会的状況において女性と似た立場にあった「徒弟」の表象を中心に、小説の拾頭の文脈で研究した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究代表者は、2011年3月に『シェイクスピア劇の<女>たち:少年俳優とエリザベス朝のポピュラーカルチャー』を脱稿し、2012年7月刊行予定(みすず書房刊)で現在、校正等の作業が進行中である。Palgrave Macmillanとすでに契約を交わしている英語による著書(単著)を現在執筆中で、2012年度末には草稿を完成させ、2013年度末までに脱稿する予定。研究分担者は、ルネサンス期以降イギリスに拾頭した小説との関係の文脈で、女性と似た社会状況に置かれていた「徒弟」の表象を、ジェイムズ朝市民劇を中心に研究した。
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Strategy for Future Research Activity |
研究代表者の単著『シェイクスピア劇の<女>たち:少年俳優とエリザベス朝のポピュラーカルチャー』は7月初旬にみすず書房から刊行される。2011年7月プラハで開かれた国際シェイクスピア学会のパネルで発表した論文は、2012年にAshgate(英)から刊行される論文集Mary Wroth and Shakespeareに掲載される。Palgrave Macmillanと出版契約をしている英語の単著Representations of the Construction of Female Subjectivity in English Renaissance Literatureは、2012年末までに草稿を書き上げ、2013年末に脱稿する予定。6か国を代表する編者で編纂しているThe Cambridge World Shakespeare Encyclopediaは2013年度に刊行される予定。 研究分担者は18・19世紀イギリスで女優によって演じられたシェイクスピア劇の女性登場人物および女性劇作家の研究をさらに発展させ、研究代表者によるイギリス・ルネサンス期の演劇における女性主体の表象の研究に、時代による表象の変容の視点を与える。
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Research Products
(4 results)