2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21520407
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
和田 学 Yamaguchi University, 人文学部, 准教授 (10284233)
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Keywords | 朝鮮語 / 日本語 / 受動文 / 生成文法 / 複雑述語 |
Research Abstract |
これまでは、韓国語の語彙的受動文を中心に研究を行ってきたが、21年度は、考察の対象を広げるための準備を中心に研究を進めた。 第一に、軽動詞を含む受動立も考察の対象とするため、その準備段階として、軽動詞構文に関する調査を行った。韓国語の他動詞的軽動詞構文は3つのタイプに分かれることが知られているが、その内、動作性名詞が対格を取るタイプに関しては、研究者毎に文法性の判断が分かれ、それぞれ異なった判断に基づいた分析がなされている。事実を確認するため、体系的な調査票を作成し、文法性の判断を数値で表現してもらうという方式を作成し、調査を行った。結論としてはこのタイプの容認度が適格とも不適格とも言えない中間的な値を示すことが得られた。 更に、この調査方式は、言語研究において一般的な記号による文法性の表記と異なり、調査対象者間の判断の相関が明示しやすくなり、データの信頼性が明示的になるという利点があることを示し、論文として発表した。 第二に、統語的受動文にも考察の対象を広げるために、これと同じ形熊的特徴を持つ複合動詞構文についても上記と同様の調査を行った。調査と考察の結果、韓国語の少なくとも一部了の複合動詞が語彙部門と統語部門の分業によって形成されることが示唆され、更にこれを元に、日本語の複合動詞構文との対照を行うモデルを立てた。これについて他の研究者の意見を聞くための打ち合わせを行い、モデルの改良に努めると共に英文論文の作成に着手した。
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Research Products
(1 results)