2010 Fiscal Year Annual Research Report
韻律ラベリングのデータベース化のための曲線音調表示された韻律階層の日印対照
Project/Area Number |
21520411
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
児玉 望 熊本大学, 文学部, 教授 (60225456)
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Keywords | 音韻論 / イントネーション / 韻律構造 / 日本語 / ドラヴィダ語 |
Research Abstract |
本研究は、発話のもつ音韻論上の構造である韻律構造のうち、専ら曲線音調の分布によって境界表示されると分析できる、日本語と南アジア諸言語について、自発音声コーパスデータを収集・分析し、韻律構造の文字データへの記号付与によって、文字化できない韻律情報を視覚的に表示する方法を検討し、諸方言・言語のデータを音声データに文字情報を含む補助的視覚データを加えて公開する方法を開発することを意図したものである。 平成22年度は、日本語学会、日本音声学会等の韻律関係をテーマとする研究会に参加し、日本語韻律研究の現状に関して意見交換した上で、韻律構造分析に関して、境界声調により表示された(まとめられた)領域だけでなく、連結規則の適用の障壁として機能する韻律境界によって区切られた(内部がつながれた)韻律構造を想定する構造分析モデルを新たに提案する論文を公刊した。これは、境界声調のみの記述を想定していた研究計画に修正を加えるものであるが、全体として韻律構造を明らかにするようなデータの明示法を構築するという研究の目標には変化がない。 インド諸言語についても、2010年8月にインド・アーンドラプラデーシュ州でのテルグ語音声調査を踏まえた上で、テルグ語において同様の分析が可能であることを論文で示唆し、来年度以降の現地調査で、方言差の分析も含む記述研究を展開する上での枠組みを構築した。また、カルナータカ州においてもカンナダ語の諸方言について音声データを収集した。
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