2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21520428
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
重藤 実 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (80126078)
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Keywords | ドイツ語史 / アスペクト / 開始相 / データベース |
Research Abstract |
ドイツ語やスラブ諸語・日本語などの言語類型論研究の中でアスペクトを扱ったこれまでの論考の分析を進めた。これまでの先行研究の成果から考えても、アスペクト表現の変化を言語類型の変化と位置づけることは十分可能だと思われる。 ドイツ語の開始相表現としてはbeginnen・werden・kommenの3つの動詞による動詞句が重要な役割を演じていたことが確認できたが、その他の動詞(たとえば接辞an^-,er^-などを持つ動詞、gehenなどの機能動詞)についても、さらに検討を進めた。特にgehenについては、kommenとは対照的に、ドイツ語では開始相表現としての用例が少ないが、その理由を言語類型論的観点から説明する可能性があると思われる。 開始相表現の用例収集フォーマットの検討をさらに進めた。既存のデータベースで利用できるものもかなりあるが、特にベルリン(ドイツ)のフンボルト大学を中心として作成作業中のドイツ語史資料データベースは、このような研究には特に有効であることが確認できた。このデータベースは古高ドイツ語を中心としたものだが、用例収集のフォーマットについては、他の時代の資料にも参考になる点が多い。 古高ドイツ語ではOtfrids Evangelienbuch、中高ドイツ語についてはNibelungenlied、初期新高ドイツ語についてはWolkensteinのMinnesangなどを中心に、書籍資料なども参考にしながら、開始相表現の用例収集を進めた。 以上の研究方法について、国内外の研究者と意見交換の機会を作った。
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