2011 Fiscal Year Annual Research Report
英語接尾辞のクラス性と強勢付与に関する記述調査と部分配列理論による分析
Project/Area Number |
21520513
|
Research Institution | Kobe City University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
三間 英樹 公立大学法人神戸市外国語大学, 外国語学部, 准教授 (20316029)
|
Keywords | 英語 / 音韻論 / 強勢 / 接尾語 / 最適性理論 / 部分配列理論 / 語形成 / 計量調査 |
Research Abstract |
昨年度までに完成した英語の接尾辞ごとの教勢パターンの分布に関する記述調査の結果を元に、その分布が、部分配列理論が制約の階乗類型から予測する分布とどれぐらい一致するか、考察を行った。その結果、一つのタイプの接尾辞グループでのみ一致が見られなかったものの、残りの4つのグループではほぼ予測通りと言える一致が見られることが明らかになった。これは英語の教勢の記述として重要であるだけでなく、部分配列理論に基づいた英語のレキシコンの分析が適切であることを示す重要な発見である。この研究結果は、筆者の参加するタイポロジーに関する発表会で口頭発表され、論文としても発表された。 さらに、これらの事実が他の理論でどのように分析可能かを考察し、筆者の分析と比較してどちらがより適切であるかについての考察を行ろた。分布の記述という点では確率論的最適性理論が若干有利であるものの、過剰な予測をしてしまう点で部分配列理論に劣る点があることがわかった。またそれ以外の理論は記述的にも概念的にも問題が多いことが指摘できた。このこともやはり、部分配列理論が人間の言語の記述として最も適していることを示している。この研究結果もタイポロジーに関する発表会で口頭発表された。 なお、これらの研究結果は、筆者の以前の研究結果と合わせ、筆者の博士論文として執筆が進行中である。また、英語の接尾辞の語形成と教勢パターンに関する包括的な調査の結果をデータベース化する作業を行い、数万語に及ぶデータの入力がとりあえずひと通り終了した。しかし、公に発表するまでにはまだデータのチェックや表記の統一性の調整など、必要な作業が多く残されている。これらの作業については引き続き継続して行われる予定である。
|