2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21520524
|
Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
牧原 功 群馬大学, 国際教育・研究センター, 准教授 (20332562)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山岡 政紀 創価大学, 文学部, 教授 (80220234)
小野 正樹 筑波大学, 人文社会科学研究科, 准教授 (10302340)
小池 康 関東学園大学, 経済学部, 講師 (70334018)
|
Keywords | 言語学 / 日本語教育 / 語用論 / 配慮表現 / ポライトネス |
Research Abstract |
本年度は、昨年度までに検討した日本語の配慮表現に関わる様々な言語現象について、それに対応する他言語での言語現象との対照研究を進めつつ、外国人学習者にとっての配慮表現使用の困難さについて実証的な検証を行った。中国語・韓国母語話者を対象として、意見を述べる、自己推薦状を作成するなどの内容で文章を作成させ、配慮表現という観点からどのような問題が見られるかについて検討した。作成された文章例から、文のポライトネスという部分でも母国語における言語使用の在り方が日本語の言語運用に干渉していることが見て取れ、母国語で問題ない表現をそのまま日本語訳することによって、対人配慮という点で問題を含む表現が生産されていることが明らかとなってきた。 また、日本語と他言語との対象研究を行う一方で、日本語の配慮表現がどのような形で現れているのかについての考察も進めた。これまでの配慮表現研究は、文末のムード形式や文中の副詞、あるいは副詞的成分(副詞節も含む)の使われ方を中心に進められてきたが、ボイス、引用表現、テンス・アスペクトの使い分け、取り立て詞の使用なども配慮表現として用いられていることが明らかとなった。更に、本来は他の発話機能を持つ文を転用することによる配慮表現も数多く見られ、例えば介護の現場で用いられる「起きますよ」のような形で用いられる行為要求表現などは外国人学習者にとって習得や使用の難しいものであることがわかった。
|
Research Products
(14 results)