2009 Fiscal Year Annual Research Report
外国人介護士のための地域共通語を使用した介護日本語教材と指導法の開発
Project/Area Number |
21520559
|
Research Institution | Yamagata Junior College |
Principal Investigator |
後藤 典子 Yamagata Junior College, 総合文化学科, 講師 (50369295)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山上 龍子 東北文教大学短期大学部, 留学生別科, 非常勤講師 (90461722)
澤 恩嬉 東北文教大学短期大学部, 総合文化学科, 講師 (50389699)
三瓶 典子 東北文教大学短期大学部, 人間福祉学科, 講師 (60537760)
齋藤 美穂 東北文教大学短期大学部, 人間福祉学科, 講師 (70537761)
熊坂 聡 東北文教大学短期大学部, 人間福祉学科, 非常勤講師 (30389697)
|
Keywords | 介護現場 / 地域共通語 / 接触場面 / 異文化感 / ストラテジー / コミュニケーション / 介護日本語教材 / 指導法 |
Research Abstract |
平成21年度は、介護スタッフと介護施設利用者それぞれについて、介護現場で使用される山形の地域共通語を採集した。そのうち、介護スタッフの地域共通語については、『専門日本語入門-介護編-』(海外技術者研修協会編著)の会話の部分に対応する表現をアンケート調査した。また、介護施設利用者が使用する地域共通語に関しては、留学生との会話の録音データ(お話ボランティアとして、「昔のあそびや生活」について自由に話をしてもらった)を基に、どのような地域共通語が用いられ、どのような地域共通語を留学生が理解できたかまたは不理解だったか、その特徴について分析した。 留学生が理解できた地域共通語の特徴は、有声化のあるもの、イ段がウ段に変化しているもの、共通語とは異なるが日常の地域共通語としてよく使用されているようなものなどであった。不理解だったものは、音が共通語と異なるものや、語が共通語と異なったり一般に使用頻度が低いと見られるもの、加えて音変化のあるものは音を聞き取ることも困難であった。表現が共通語と異なるものでその異なり方が複雑なものは不理解となることが多かった。また、受け身や義務・当然の表現など特徴的な音変化のあるものや地域語形を含むものは不理解となっていた。一見滞りなく進んでいるような会話も、不理解が生じた際に留学生が話題変更や笑いなどのストラテジーを使用しコミュニケーションの円滑化を図っていたことがわかった。 今後は実際に山形の介護現場で使用される表現などを録音調査によって調査し、介護日本語教材のための地域共通語のデータを充実させたい。また、介護現場という接触場面における双方の異文化感や、対応の工夫などについてインタビューやビデオ録画などを行い調査したい。採集した地域語のデータを検討して教材化を進め、試作教材を作成、試用し指導法の開発へと研究を進めていく計画である。
|
Research Products
(1 results)