2011 Fiscal Year Annual Research Report
英語教育における言語活動と文法指導の一体化を目指す基礎研究
Project/Area Number |
21520561
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Research Institution | Miyagi University of Education |
Principal Investigator |
板垣 信哉 宮城教育大学, 教育学研究科, 教授 (80193407)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 渉 宮城教育大学, 教育学部, 講師 (60549640)
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Keywords | インプット / アウトプット / 気づき / 内容理解 / 文法指導 / 第二言語習得理論 / ラィティング / リーディング |
Research Abstract |
日本の英語教育では、言語活動と文法指導の一体化が求められている(例:中学校新学習指導要領)。本研究は、その一体化を目指すものである。言語活動と文法指導の一体化の前提は、内容理解を重視する授業の中で、学習者の注意を文法に向けることができるということである。これまでの研究では様々なタスクが文法学習へ及ぼす効果を検証しているが、どのようなタスクが内容理解と文法学習をバランスよく促すのかについてはあまり調べられてこなかった。そこで、本研究では、日本人大学生を対象とし、インプット型指導とアウトプット型指導が文法学習と内容理解に及ぼす効果を検証した。実験の結果、(1)アウトプット型指導は、文法学習の効果を高めるものの、内容理解が不十分であること、(2)インプット型指導は内容理解と文法学習をバランスよく促進することが分かった。この結果は、英語の習熟度に応じた言語活動と文法指導の一体化が求められていることを示唆している。これまでの申請者らの研究においても、習熟度の高い学習者にはアウトプット型指導が、習熟度の低い学習者にはインプット型活動が、それぞれ効果的に文法学習を促進することを示してきた(Suzuki&Itagaki,2009)。これらの結果を総合すると、研究者や教師が、学習者の習熟度に応じて、文法理解と内容理解をバランスよく促すタスクを開発・使用することの重要性を示唆している。そのことにより、インプット型指導(例:リーディング)とアウトプット指導(例:ラィティング)を通して、コミュニケーション能力の中核である文法指導能力を育成することが可能になる。
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