2010 Fiscal Year Annual Research Report
外国語音声教育と日本人学習者による音声習得との関係の解明
Project/Area Number |
21520593
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
新倉 真矢子 上智大学, 外国語学部, 教授 (70338432)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小島 慶一 聖徳大学, 人文学部, 教授 (90234757)
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Keywords | 音声学 / 外国語教育 / 英語・独語・仏語 |
Research Abstract |
今年度の目的は、国内外で出版・改訂された英語、ドイツ語、フランス語の教材の量的・質的分析を行い、教材面から音声教育の実態を調査・分析すると同時に、学習者側から音声教育の実態を把握することにより、次年度に向けた音声教育・学習システムの開発・提案へとつなげるものである。 そのため、1)2009年・2010年に出版・改訂された外国語学習用の英語、ドイツ語、フランス語の教科書(英語88冊、ドイツ語30冊、フランス語34冊)中の音声教育に関する箇所を抜粋し、量的・質的分析を12項目(分節素、超分節素、対立、発音例、解説の有無、練習問題の有無など)において計量化し、教科書における音声教育の問題点や改善点を探った。2)教材分析と並行して各言語の学習者(国内の高学生・大学生対象;英語2486人、ドイツ語1172人、フランス語1050人)に音声教育に関するアンケート調査(授業内容、授業環境、意識調査に関する16項目)を実施し、これまで受けてきた音声教育の実態を把握するとともに教材分析の結果との異同を調査した。3)教科書分析とアンケート調査の結果から、(1)3言語とも教材中の超分節素の割合(平均3%)と授業内容の相関が確認された。分節素については、国内で出版されたドイツ語とフランス語の割合が一致し、教材と授業内容の関連性が推測された。(2)「発音をもっと教えてもらいたい」とする学生は約半数を占め、「発音の上達」に関心のある学生は90%以上であることから、学習者の意識と教科書の音声教育実態が懸隔していることが確認された。(3)情報伝達に重要な言語リズムの扱いは、教科書、授業内容ともに低く、音声教育の分野での補完の必要性が認識された。
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Research Products
(2 results)