2012 Fiscal Year Annual Research Report
英語学習者および日本語学習者の言語意識に関する基礎的研究
Project/Area Number |
21520648
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Research Institution | Konan Women's University |
Principal Investigator |
梅原 大輔 甲南女子大学, 文学部, 教授 (70232907)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
冨永 英夫 兵庫県立大学, 経済学部, 教授 (10180176)
菅井 三実 兵庫教育大学, 学校教育研究科(研究院), 准教授 (10252206)
森 篤嗣 帝塚山大学, 現代生活学部, 准教授 (30407209)
加藤 久雄 奈良教育大学, 教育学部, 教授 (40135827)
児玉 一宏 京都教育大学, 教育学部, 准教授 (40340450)
濱本 秀樹 近畿大学, 文芸学部, 教授 (70258127)
森山 卓郎 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (80182278)
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Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 英語 / 日本語 / 英語教育 / 国語教育 / 外国語教育 |
Research Abstract |
前年度に3大学の学生を対象に行った文法性判定と訂正/説明タスクによる主語意識の調査を4大学に拡大して実施し、さらに追加的な調査として面接を一部に対して行った。これらの調査を通して明らかになったのは、日本語の構造を直訳した「主題―陳述型」の英文の容認度に学習者間で大きな差があり、大学によって明らかな傾向の違いがあったということである。主語と主題の区別が英語の授業で明示的に教えられることはほとんどないことを考えると、この調査の結果は、英語の達成度の差が、英語的な主語概念の直感的な理解につながっていることを示唆しており重要である。また追加的な面接調査を通して見えてきたのは、達成度の低い学習者が、実際には義務的な規則を随意的なものと認識する傾向があるということ、英語の「ニュアンス」を感覚的につかんでいると本人が考えている場合も、日本語への翻訳を通して判断している傾向があるということである。さらに、幼児期から英語の学習を始め英語に熱心に取り組んできた学習者の中にも、同様の意識を持っている者がおり、母語の持つ主題―陳述型の特徴に大きく影響されていることがわかった。 主語述語構造という英語の根幹に関わる構造について学習者は日常的に肯定証拠によるインプットを受けてきているはずである。それにも関わらず、この基本構文を十分に習得できず日本語的な主題陳述型の構造に影響を受けている学習者がかなりいるということは、初級レベルの学習者に対して日本語と英語の構文の違いに気づかせるような働きかけが必要なことを示している。古典的な対照分析ではなく、現代的な視点で理論付けされた日本人英語学習者の中間言語研究を発展させることが求められるであろう。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)