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2011 Fiscal Year Annual Research Report

奈良県「飛鳥・藤原」地域における「方格地割」創出過程の考古学的新研究

Research Project

Project/Area Number 21520769
Research Institution独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所

Principal Investigator

黒崎 直  独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所, 文化遺産部, 客員研究員 (60000494)

Keywords方格地割 / 飛鳥京 / 藤原京 / 条理と条坊 / 道路遺構
Research Abstract

6世紀末から8世紀初頭の期間、政治・文化の中心地だった「飛鳥・藤原」地域には、数多くの宮跡や寺跡が残されている。さほど広くない地域に造営されたこれら宮や寺の配置を律した「都市計画」=「方格地割」を発掘資料から復元するのが本研究の主たる目的である。「方格地割は存在しない」とするのが学界の現状である。しかし、発掘された「道路」や「区画施設(塀や築地)」の位置情報を再評価すると、飛鳥には「1/5里」(約106m)と「1/4里」(約132m)を基準寸法とする2種類の「方格地割」が時期と範囲を違えて施工された可能性が高い。これまでは複数の方眼が重なりもつれて、見つけ出せなかったようだ。
今年度は計画の最終年として、これまでに調査・収集した発掘遺構データを総合すると共に、その位置データを「国土座標値」に統一しながら遺構の年代や性格などを再検討した。あわせて古代の測地尺や地割に関する研究史についても再評価し、当該地域における方格地割の変遷過程を以下のように復元した。
すなわち「飛鳥・藤原」地域では、7世紀前半に1/5里を基準寸法とする方格地割が幹線道路の設置と共に計画・施工され、ついで7世紀中頃には1/4里の方格地割へと変更される。さらに7世紀後半には藤原京条坊(1/4里)が新たに施工されたが、それも平城遷都後には条里制(1/5里)へと転換する。この地域では、実に4度も土地区画が変転したのだ。一方、この地割の基点は6世紀末に創建された飛鳥寺伽藍にある。
「飛鳥には方格地割が存在した。それも複数!」。これが本研究の結論の一つ。わが国の方格地割は1/5里を基準寸法とする「代制」から始まり、それが「条里制」へと発展する一方で、1/4里の基準寸法をもつ方格地割が斉明朝から登場。それが後の藤原京や平城京の「条坊制」へと展開していく。正方位にのった1/4里方眼こそ、わが国の首都にのみ施工が許された地割で、まさしく「王権の地」としての表示である。その意味で、大宰府や多賀城、斎宮で確認されている「方格地割」は、基準寸法・方位などの点で相違する。
ただし飛鳥ともども、関連の発掘データは微少である。その増加が今後への大きな課題である。

  • Research Products

    (2 results)

All 2011

All Presentation (1 results) Book (1 results)

  • [Presentation] 近江大津宮の再検討2011

    • Author(s)
      黒崎直
    • Organizer
      都城制研究会
    • Place of Presentation
      大阪歴史博物館
    • Year and Date
      2011-12-17
  • [Book] 飛鳥の都市計画を解く(ISBN 9784886215581)2011

    • Author(s)
      黒崎直
    • Total Pages
      247
    • Publisher
      (株)同成社

URL: 

Published: 2013-06-26  

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