2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21520792
|
Research Institution | Nara University of Education |
Principal Investigator |
岩本 廣美 Nara University of Education, 教育学部, 教授 (40243349)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河合 保生 ノートルダム清心女子大学, 文学部, 准教授 (30412224)
戸井田 克己 近畿大学, 教職教育部, 教授 (80288951)
西岡 尚也 琉球大学, 教育学部, 教授 (60336360)
吉水 裕也 兵庫教育大学, 学校教育研究科, 准教授 (60367571)
|
Keywords | 地理教育 / 教員研修 / 地域調査 |
Research Abstract |
(1) 教育委員会(教育センター等)の視点から教員研修の現状と課題を明らかにした。 中学校社会科地理的分野に関する教員研修の実施状況を把握するために、アンケート調査票を作成し、2009年10月全国の都道府県の教育センター等167機関に郵送した。11月末日までに69機関から回答を得た(回収率48.9%)。回答を集計・分析した結果明らかになったことの要点は次のとおりである。 (1) 2009年度または前年度に地理的分野に関する教員研修を実施した機関は、約半数の34機関であった。(2) 34機関での実施状況は、夏期休業期間中に、指導主事等が講師となり、半日または全日で、10~20名程度の少人数で行う例が多い。(3) 研修形態は、講演・講義が中心で、現地見学・地域調査を取り入れている研修は少ない。 (2) 教員の視点から教員研修の現状と課題を明らかにした。 中学校社会科教員が、地理的分野とくに「身近な地域」(地域調査)の単元をどのように指導実践しているか、また、教員研修に関してどのような要望を持っているかを把握するために、アンケート調査票を作成し、2010年1月、全国から無作為に抽出した公立中学校1,004校に郵送した。2月下旬までに382校の社会科教員から回答を得た(回収率38.0%)。回答を集計・分析した結果明らかになったことの要点は次のとおりである。 (1) 中学校社会科の分野別に指導の得意・不得意を尋ねた結果、歴史的分野を得意とする教員は多く、地理的分野を不得意とする教員も多い。(2) 単元「身近な地域」の指導は、学校周辺の地形図を用いて指導する教員は多いが、現地観察の指導をしている教員は少ない。(3) 「身近な地域」に関する研修では、生徒が主体的に調査活動に取り組む手立てや興味・関心を喚起する手立てを取り上げてほしいという要望が多い。 以上の結果は、これまでの地理教育研究では明らかになっていなかったものであり、また、地理に関する今後の教員研修のあり方を検討していくうえで、重要な基礎データとなるものである。
|
Research Products
(6 results)