2009 Fiscal Year Annual Research Report
航空輸送コストの変動が日本の国際分業に与える影響―貿易数量指数を用いた実証分析―
Project/Area Number |
21530208
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
永田 雅啓 Saitama University, 教養学部, 教授 (50261871)
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Keywords | 航空輸送 / 輸送コスト / 貿易 / 数量指数 / 国際分業 |
Research Abstract |
平成21年度には、研究代表者が中心となり、独自に開発したソフトウェアを用いて2008年分の日本の貿易指数データベースを作成した。同時に、このソフトウェアを輸送手段別の分析が可能なように一部を改定した。これによって、輸送手段が航空輸送か海上輸送かが明確になるため、これらのソフトウェアを用いることで航空輸送貿易に関わる数量指数、価格指数、金額が算出可能となった。 また、本データベースを作成する上で、データの異常値によって指数が影響されることがあるため、こうした異常値を検出、除去するためにこれまで多くの時間と労力を要していた。しかし、今回、異常値を自動検出するソフトを新たに開発したことにより、算出された貿易指数に対する信頼性を一層高めることができるようになった。 2008年は世界金融危機の影響で経済が低迷し、国際金融面に加えて国際貿易の面でも世界的な混乱が生じた年でもある。このため航空輸送需要も大きく減退した。これちの物流面での影響については現在分析中である。一方、こうした金融上の大きな変化はアメリカ経済の期待インフレ率にも大きな影響を与え、アメリカの物流のみならず世界の物流に大きな影響を与える。FRBによる大胆な金融緩和政策が、アメリカの経済回復に有効か、あるいは中長期的に単にアメリカのインフレ率を上昇させるだけに終わるのかは、アメリカ国民の期待インフレ率がどのように変化するのかにかかっている。世界金融危機は当初の研究計画には入っていなかったが、この面での分析も進め『期待インフレ率から見たアメリカの金融危機』として発表した。
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Research Products
(1 results)