2010 Fiscal Year Annual Research Report
航空輸送コストの変動が日本の国際分業に与える影響―貿易数量指数を用いた実証分析―
Project/Area Number |
21530208
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
永田 雅啓 埼玉大学, 教養学部, 教授 (50261871)
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Keywords | 航空輸送 / 輸送コスト / 貿易 / 数量指数 / 国際分業 |
Research Abstract |
平成22年度には、研究代表者が中心となり、独自に開発したソフトウェアを用いて2009年分の日本の貿易指数データベースを作成した。同時に、輸送手段別(航空輸送か海上輸送)の指数を作成することで航空輸送貿易に関わる数量指数、価格指数、金額が計測可能となった。 2003年以降、原油価格の上昇は航空輸送にもコスト面で大きな影響を与えたと考えられる。アメリカの貿易に関する予備的な分析では、マクロ的に見ると航空輸送への依存度が低下し、海上輸送やトラック輸送への代替が進んだように見える。しかし、品目別貿易相手国の分析をしてみると、航空輸送への依存度はそれほど低下しておらず、むしろ、航空輸送への依存の小さな地域に対する貿易量の拡大がマクロ的な航空輸送への依存低下の主たる要因のように思われる。ただし、これに関してはもう少し詳細な分析が必要である。 2008~2009年の世界金融危機の影響で経済が低迷し、国際金融面に加えて国際貿易の面でも世界的な混乱が生じた。このため航空輸送需要も大きな影響があったと考えられる。これらの物流面での影響については引き続き分析中である。一方、こうした金融上の大きな変化は、アメリカの物流のみならず世界の物流に大きな影響を与える。中長期的に単にアメリカの経済回復はどのような経路をたどるのか、あるいは、日本のようなデフレに陥る危険性は無いのか。世界金融危機は当初の研究計画には入っていなかったが、この面での分析も進め『アメリカ経済の回復の動向』として発表した。
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Research Products
(1 results)