2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21530458
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
溝口 周二 横浜国立大学, 経営学部, 教授 (30200033)
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Keywords | 海外子会社 / 多国籍 / 組織特性 / 企業文化 / 情報システム / 情報化投資 / SCM / マネジメント・コントロール・システム |
Research Abstract |
近年、情報システムが企業文化を含むデザインと相互作用し、その結果が業績に反映されるという認識が萌芽しつつある。これまでに情報システム投資と業績との関係を示すために、組織特性を考慮した評価枠組みはモデル化されているものの、海外子会社を対象にした経験的研究は乏しい。本研究はこの点に着目し、業種特性、組織特性を考慮した情報システムの海外子会社への適合性とそれがマネジメント・コントロール・システムに与える影響を計測する評価指標を検討し、提示することを目的としている。 それをふまえて、当年度は日本企業のアジアにおける海外子会社の中から3つの拠点について調査を行った。前年度の2拠点と合わせて合計5拠点の調査を既に行っている。 現地訪問時には、海外子会社の日本人幹部に対して組織及び情報システムに関するインタビューを行った。その結果、3つの拠点とも日本の親会社からコントロールを受ける一方で、現地化を積極的に推進していることが観察できた。これは前年度に調査を行った拠点と共通することである。 その一方で、事業内容顧客当該国の法規制、労働事情などの内外の企業環境が情報システムを規定し、さらにマネジメント・コントロール・システムの相違をもたらしていることも観察された。これらの調査により、親会社のマネジメント・コントロールの強さが海外子会社の情報システム整備に直接的に影響しないという仮説が検討された。
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