2009 Fiscal Year Annual Research Report
契約上の支払義務に係わる監査人およびアナリストの判断の分析
Project/Area Number |
21530477
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Research Institution | Senshu University |
Principal Investigator |
菱山 淳 Senshu University, 商学部, 教授 (00279598)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 信彦 明治大学, 会計専門職研究科, 教授 (20225981)
小澤 康裕 立教大学, 経済学部, 准教授 (50362819)
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Keywords | リース / 負債性 / 契約上の債務 |
Research Abstract |
本研究は、特定の会計情報が脚注情報として開示される場合に、アナリスト予測や監査判断にどのような影響が生じるかという点にっき検討を行うものである。たとえば、解約不能なリース契約にかかる支払義務のように、会計上の負債の定義を満たすだけでなく法的な支払義務を有する項目であるにもかかわらず、会計基準を利用した経営者の選択的会計行動により、貸借対照表に計上されることなく、脚注情報として開示される項目がある。また、米国会計基準や国際会計基準などでは、契約上の支払義務のうち、貸借対照表には該当する項目のみ記載され、金額は注記によって開示される契約項目がある。こうした会計処理に基づく情報が、負債として認識されていない状況については、非専門的な投資家のみならず、会計監査人やアナリストなどの専門的分析者の判断をも誤らしめる恐れがある。本研究では、「認識」対「開示」という会計処理の相違がもたらす財務諸表数値に対する判断への影響を明らかにする。また、それらの結果を通じて、契約上の支払義務にかかる会計基準設定に向けての理論的根拠を提示することを目的としている。本年度は、当初の計画に従い、次年度の調査のための基礎作業を中心的に行った。具体的には、日本企業及び米国企業の財務諸表から開示実態を調査し、この領域における実務の現状を確認した。第二に、当該項目を財務諸表本体に計上することに関する理論分析を行った。それとともに、リース契約にかかる制度改正の状況を調査し、会計基準の将来の変革方向を確認した。
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Research Products
(3 results)