2013 Fiscal Year Annual Research Report
新自由主義への抵抗運動の文化的位相:グローバル・ジャスティス運動と予示的政治
Project/Area Number |
21530515
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Research Institution | Japan Women's University |
Principal Investigator |
澁谷 望 日本女子大学, 人間社会学部, 教授 (30277800)
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Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | グローバル・ジャスティス運動 / 予示的政治 / サブシステンス |
Research Abstract |
本研究は、「グローバル・ジャスティス運動」と呼ばれる、新自由主義への新しい抵抗運動の実態と特徴を、とくに文化実践の側面(「予示的政治」の側面)から明らかにすることを目的とする。予示的政治とは、運動を社会変革という目的のための手段と見なすのではなく、運動それ自体来るべき社会を予示的に現出させているという思想であり、そこから従来の運動にないさまざまな特徴が生まれるものと思われる。 本研究はおもに(1)理論研究と(2)フィールド調査の二つの軸を中心になされるが、本年度は、(1)については、コモンズ論の理論的な掘り下げを試みた。通常、コモンズと国家統治の関係があいまいなまま語られるが、本研究は、国家統治の外部にあるコモンズを「アナーキスト型コモンズ」として位置づけ、その系譜をたどるとともに、それが国家内部に捕捉されたコモンズとは異なり、積極的に脱国家の志向性を持つことを指摘し、こうしたコモンズが予示的政治と重なることを示唆した。また、こうした予示的政治の条件ととして、セイファー・スペースなどがケアないし「生への配慮」として、国家によるそれとは異なるかたちで存在することを示唆した。 (2)フィールド調査に関しては、フォローアップとして沖縄のヘリパッド=オスプレイ配備反対運動の現場でヒアリングを行い、支援者と当事者の合意形成の困難について聞き取りをした。この調査から、当事者、支援者のそれぞれの側に、予示的政治を重視する者と重視しない者がいて、その結果、運動像がすれ違う場合があることが確認できた。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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