2009 Fiscal Year Annual Research Report
滞日ムスリムの生活世界における多文化政策の影響と評価
Project/Area Number |
21530567
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
店田 廣文 Waseda University, 人間科学学術院, 教授 (20197502)
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Keywords | 滞日ムスリム / イスラーム教徒 / イスラーム / 外国人 / 日本社会 / 統合 / 共生 / 移民 |
Research Abstract |
昨年度までの、全国モスク調査、イスラム教徒個人を対象とする調査や子ども教育に関する調査などからなる、滞日ムスリム調査および、全国モスク代表者会議におけるムスリム・コミュニティの現状把握や問題点の指摘をふまえて、新たに日本の地域社会や住民と滞日ムスリム社会との交流や関係について、調査研究の主題とした。 2009年度は、ムスリムが一定の存在感を持って活動している岐阜市を対象として、日本人住民から見たムスリムを含めた外国人と日本人および地域社会との関係について、その実態と日本人住民の意識を把握することを主な目的とした。同時に、将来のわが国における日本人と外国人が共生する望ましい地域社会のあり方を構想することへの政策的貢献も意図した調査を企画した。岐阜市西部には、2008年7月に開所した「岐阜モスク」があり、その周辺の3地区を対象地域とした。同地域に居住する20歳以上70歳までの日本人男女1000人を対象者として抽出し、2009年10月から11月にかけて、郵送法により、アンケート調査「外国人に関する意識調査」を実施した。外国人一般およびイスラム教徒との交流や受け入れに関する意識調査をはじめ、イスラムに関するイメージ調査も行った。最終的には、446人からの有効回答が得られ、第1次集計が終了したところである。 第1次の調査結果によると、イスラームについて十分な情報がないため、イスラーム教徒とのつきあいに慎重な意識を持ったり、イスラームへの否定的なイメージを抱いていることが窺われた。総合的な分析は来年度となるが、すでに、岐阜市市役所の多文化共生政策に関する資料として調査結果の一部が参照されるなど、公的な貢献も遂げつつあり、来年度は調査結果の詳細な分析とその発信を中心とする。これに加えて、全国のモスク調査も継続予定である。
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Research Products
(4 results)