2011 Fiscal Year Annual Research Report
滞日ムスリムの生活世界における多文化政策の影響と評価
Project/Area Number |
21530567
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
店田 廣文 早稲田大学, 人間科学学術院, 教授 (20197502)
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Keywords | 滞日ムスリム / イスラーム / 外国人 / 日本社会 / 地域住民 / 統合 / 共生 / 移民 |
Research Abstract |
従来のモスク調査・滞日ムスリム調査・全国モスク代表者会議をふまえて、2009年度から地域社会や住民と滞日ムスリム社会との交流や関係を主題として、3年間の調査研究を行った。 2009年度は、岐阜市を対象として、日本人住民から見たムスリムを含めた外国人と地域社会との関係と住民意識の把握を主な目的として、モスク周辺地区に居住する男女1000人を対象者とし、2009年10月から11月にかけて、「外国人に関する意識調査」を実施した。調査結果によると、イスラームについて十分な情報がないため、ムスリムとのつきあいに慎重な意識を持ったり、イスラームへの否定的なイメージが窺われた。 2010年度は、岐阜市調査に次いで、パキスタン人中古車業者が集住する富山県での同様の調査を予定していたが、研究代表者の体調不良のため調査研究は中断した。ただし、中断前に日本中東学会にて岐阜市の調査報告を実施し、体調がある程度回復した年度末には、第3回モスク代表者会議も開催した。 計画は、若干の遅れが生じたが、2011年度に富山県射水市にて、岐阜市に次ぐ第2弾となる「外国人に関する意識調査」を10月~11月に実施した。883人を対象として、340の有効回収を得た。同市には富山モスクが1999年に開設され、滞日ムスリムの中古車業者が多数立地している。そのため、様々な軋礫が生じた地域でもあり、当地における意識の特殊性が予想される。現在、報告書を執筆中であり、2012年4月刊行予定である。また、5月には、日本中東学会(於:東洋大学)にて射水市調査の研究発表を行う予定である。2012年度は福岡市での調査を企画しており、岐阜市、射水市を加えた3地点の比較研究を実施する計画である。なお、第4回全国モスク代表者会議を2012年2月に開催したことも成果の一つである。テーマは、東日本大震災と被災者支援活動とした。
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Research Products
(3 results)