2011 Fiscal Year Annual Research Report
家族における死者のメンバーシップ ― 死者の社会的生を問う
Project/Area Number |
21530568
|
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
木村 好美 早稲田大学, 文学学術院, 准教授 (90336058)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山崎 浩司 信州大学, 医学部保健学科, 准教授 (30378773)
中川 輝彦 熊本大学, 大学院・社会文化科学研究科, 准教授 (10440885)
|
Keywords | 死者との交換様式 / 絆の継続モデル / グリーフケア |
Research Abstract |
●研究目的 本研究は,死別した家族成員のメンバーシップ,すなわち死別した家族成員が遺された家族のなかでどう位置づけられているかを明らかにすることを目的としている.死者と生者との「相互作用」あるいは「紐帯」,「絆」が生者の人生とどうかかわっているのか,「近代家族」における死者の位置付けを調査票調査とインタビュー調査より明らかにする. ●研究方法 まず,社会学のみならず,民俗学や人類学,宗教学,心理学,保健医療の分野まで幅広く先行研究の検討を行う.その結果を踏まえ,(1)成員喪失後の家族の軌跡の調査票調査,(2)グリーフケアの実践家および対象者のインタビュー調査を実施し,「近代家族」における死者の位置付けを解明する. ●研究成果 平成23年3月に発生した東日本大震災の影響を鑑み,調査票調査の対象・質問項目に変更を加えた.すなわち,東京で実施予定であった調査を,東北に親族が在住していた可能性がより低い(震災で両親はじめ親族を亡くした可能性の低い)と推察される大阪に変更し,調査対象は平成24年3月31日時点で55歳から69歳の大阪府内在住の男女とした.代表性の問題はあるものの,調査方法もインターネット調査に切り替え,調査実施時期も可能な限り遅くした.実際の調査は平成24年3月6日に登録モニター5,685件に配信し,同年3月12日までの1週間を回答期間とした.回収されたのは1,733件(回収率30.5%)であり,現在データクリーニングを行い,分析に取り掛かっている.
|