2011 Fiscal Year Annual Research Report
若者自立塾プログラムが利用者に与える影響に関する心理学的研究
Project/Area Number |
21530650
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
安保 英勇 東北大学, 大学院・教育学研究科, 准教授 (50250650)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上埜 高志 東北大学, 大学院・教育学研究科, 教授 (60176617)
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Keywords | 若者自立塾 / 合宿型若者自立プログラム / 若年無業者 / NEET |
Research Abstract |
平成23年度は、(1)前年度実施の若年無業者を対象とした調査より、彼らの「自立塾」の認知や抵抗感に関して分析し、(2)「自立塾」利用経験者に対する調査を実施し、「自立塾」の効果を検討した。 (1)若者無業者のアンケート調査(n=587)では、「自立塾」を知っていた者は7割近くに昇り、その利用希望者は2割強に留まった。希望する群(希望群)と希望をしない群(非希望群)での比較を行ったところ、年齢や性別・家族形態では相違のないものの、非希望群では、就労経験に乏しい、無業開始年齢が若く無業期間が長い、就労意欲に乏しいといった特徴がみられた。また、「非希望群は」では、相談相手が少なく、引きこもり傾向が強くといった非社会的傾向が認められ、キャリアレディネスも低かった。一方、「非希望群」における「自立塾」を利用したくない理由の自由記述について分析したところ、集団生活への抵抗感や就業への消極的な態度が認められた。これらの結果から、キャリア教育の重要性、「自立塾」の広報活動の重要性、無業者の特性に配慮した指導やスタッフに求められるスキル等を指摘した。 (2)「自立塾」利用経験者への調査(n=89)では、サービス利用者の71.9%が就業に至っていた。就業の成否は、家族形態・学歴・精神的健康度・ソーシャルサポート・キャリアレディネス・サービスに対する有用感、更にサービスを通じて獲得されたスキルと関連していた。これらのことから「自立塾」は若年無業者にとって就業といった面で、概ね有用である事が確認され、また就業にいたらなかった者に対しても、「自立塾」の体験はキャリアレディネスの上昇に寄与する可能性が示唆された。
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Research Products
(5 results)