2010 Fiscal Year Annual Research Report
教師における児童生徒への援助行動の「適切さ」に関する研究
Project/Area Number |
21530654
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
松浦 均 三重大学, 教育学部, 教授 (90257577)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
南 学 三重大学, 教育学部, 准教授 (60309713)
小池 はるか 高田短期大学, 子ども学科, 助教 (60530714)
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Keywords | 援助行動 / 援助の適切さ / 援助-被援助関係 / 教師-生徒関係 |
Research Abstract |
援助者側と被援助者側の意識のずれ(ギャップ)の検証 平成22年度については,援助者側の教師と生徒との関係の中で,適切な援助-被援助関係がどのように構築されているかという観点から検討する予定であったが,一定数のデータがまとまって取れない場合や,調査実施依頼に対して受諾が得られない場合などにより計画実行に遅れが出ており,年度内には計画完は了していない.内容的には,教師(=援助者側)の援助意思および援助効果の認識と,児童生徒(=被援助者側)の援助の内容中身についての期待や欲求および援助効果の認識に差異があるのかどうか,ある場合は,教師(援助者)が行う援助行動は児童生徒(被援助者)にとって最も望んでいるものではないということを検証する予定であった. なお当初の目的からややずれるが,当研究室における学生の研究として,教師同士の援助-被援助関係における適切さについて調査を行った.その結果,教師間の相互援助的関係が構築されている場合は,職場環境や職場風土を良好なものと認知しており,学校行事等の活動も活発であることがあきらかになった.児童生徒に対しても良好な影響を及ぼしていると考えられる.また別の研究では,教師が1年間の学級運営を行っていく上で,子どもたちの他者受容感に焦点を当て,子ども同士の支え合いの関係の構築を目指す教師の行動について観察を通した研究が行われた.その結果,教師の適切なアドバイスが,子どもたち個々人の他者へのサポーティブな言動を引き出し,学級内の対人関係が良好となり,他者受容感が生まれていることが明らかにされた. 前者は来年度の学会で発表予定であり,後者については,研究論文として発表された.これらの研究は,いずれも学校現場における実際のデータをもとにして行われたものであり,今後の展開を含めて大いに意義のあるものと言える.
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Research Products
(3 results)