2011 Fiscal Year Annual Research Report
対人援助職のワーク・ライフ・バランスへの取り組みとバーンアウト予防に関する研究
Project/Area Number |
21530668
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Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
荻野 佳代子 神奈川大学, 人間科学部, 准教授 (20308159)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲木 康一郎 長野大学, 社会福祉学部, 准教授 (30410400)
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Keywords | バーンアウト / ワーク・ライフ・バランス / 看護職 / 組織風土 / ストレス / 介入 / 予防 |
Research Abstract |
本研究の第1の目的は、対人援助職のワーク・ライフ・バランス(WLB)を推進する組織風土(WLB風土)の測定尺度を開発し、バーンアウトに与える影響を検討することである。第2の目的はWLB風土醸成によるバーンアウト予防・回復のためのプログラムを開発することである。 3年目となる23年度は第1の目的について、調査を3回実施し昨年度までのデータに加えてWLB風土とバーンアウトの関連についてより詳細に検討を行った。5月と10月に看護師研修において計約100名、8月には1総合病院の全部局で調査を実施し、有効回答707名のデータが得られた。この結果、WLBの希望と現状が一致している群はそうでない群よりバーンアウトの程度が高いこと、WLB風土の「上司の支援」や「'ライフ'の尊重」がバーンアウトの「シニシズム」に比較的強い影響力を持つことなどが昨年度のデータに共通する点として見出された。さらに、WLB風土がバーンアウトに与える影響は個人の育児状況によって異なり、育児をしていない群には「上司の支援」が、未就学児がいる群には「スタッフのチームワーク」が、そして就学以上の子どもがいる群には「'ワーク'最優先」がより強く影響する、といった特徴が見出され、育児状況に応じた介入の有用性が示唆された。 第2の目的について、WLB風土醸成によるバーンアウト改善プログラムを1総合病院の2病棟の師長を対象にプログラムを実施し、2か月ごとに半年間経過を聴収した。この結果、WLB風土づくりに向けた目標設定と改善へのアクションがWLB風土およびバーンアウトの改善に関連すること、およびその過程における師長の効果的なマネジメント行動が示唆された。なお期間は終了するが24年度に引き続き参加者を募ってのプログラム実施および質問紙調査による効果測定を実施する予定である。
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Research Products
(3 results)