2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21530738
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Research Institution | Sapporo International University |
Principal Investigator |
橋本 久美 Sapporo International University, 人文学部, 講師 (30438410)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 憲男 北海道医療大学, 心理科学部, 教授 (50118139)
浜上 尚也 北海道医療大学, 薬学部, 講師 (70221504)
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Keywords | 心理アセスメント / 唾液中セロトニン / 生物学的パーソナリティ尺度 / 思春期 / 不適応症状 |
Research Abstract |
本研究では、生物学的基盤に基づいた情動尺度と唾液に含まれる神経伝達物質との関連を明らかにすることにより、生物学的パーソナリティ理論によるパーソナリティテストを標準化することを目的とする。本研究で開発するパーソナリティ尺度は生物学的基盤という科学的根拠を備えている。しかも、非侵襲的であり、安全性の保証と倫理性の配慮を充分備え、なおかつ臨床心理学における生物学的な観点を備えた全く新しい形のパーソナリティ査定といえる。平成21年度では、パーソナリティ尺度の標準化をはかるために、100名程度の大学生の健常群の唾液データの生化学分析とTCI質問紙の統計分析を行った。また、唾液中セロトニンと同時に採取した唾液中クロモグラニン濃度の分析を行い、2つの唾液中物質の関連を比較検討した。その結果、唾液中クロモグラニンと唾液中セロトニンは正の相関があることが明らかになった。また、TCI-Rの一部尺度と唾液中セロトニンとの間に有意な相関が認められた。唾液中クロモグラニンは交感神経系の活動を反映する心理的ストレスを反映するといわれており、唾液中セロトニンとの関連から影響しあう可能性が示された。また、自記式パーソナリティ尺度であるTCIも唾液中セロトニンと対応することが確認された。従って,唾液中セロトニン濃度は新奇性退求パーソナリティの生物字的マーカーとなる可能性が考えられる。以上の成果はすでに健康心理学会にて発表しており、その内容について論文化を予定している。
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Research Products
(1 results)