2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21530738
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Research Institution | Sapporo International University |
Principal Investigator |
橋本 久美 札幌国際大学, 人文学部, 講師 (30438410)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 憲男 北海道医療大学, 心理科学部, 教授 (50118139)
浜上 尚也 北海道医療大学, 薬学部, 講師 (70221504)
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Keywords | 心理アセスメント / 唾液中セロトニン / TCI / 思春期 / 不安障害 / 唾液中GABA / Panksepp |
Research Abstract |
本研究では、生物学的基盤に基づいた情動尺度と唾液に含まれる神経伝達物質との関連を明らかにし、生物学的パーソナリティ理論によるパーソナリティテストを標準化することを目的とする。平成22年度では、大学生データの他に、心療内科に通院する10代~30代までの男女35名の不安障害圏の臨床患者の唾液サンプルの提供と質問紙への協力を得ることができた。それらのデータを使用して性・年齢を一致させた健常対照群との唾液中生化学物質(セロトニン・GABA)の比較分析を行い2唾液中物質の関連を検討した。その結果、臨床群の唾液中セロトニンは健常群に比べ有意に濃度が高いことが明らかになった。両群でのGABAの有意差は認められなかった。従って、不安障害を有するレベルに達すると末梢性セロトニン機能が高まると考えられる。また、唾液中セロトニンの分泌には唾液中GABAとは異なる身体メカニズムが作用していると推測される。被験者全体では、唾液中セロトニンとTCIパーソナリティ尺度に一部相関が認められた。GABAとパーソナリティ質問紙の間には相関は認めらなかった。また、数年間調査蓄積した大学生データによりPanksepp理論に基づくパーソナリティ尺度の標準化を進めているが、一部尺度の基準関連妥当性が確認された。 平成22年度の成果の大くは、臨床患者群の研究データから得られた。つまり、心理・行動の不適応状態に関与する唾液中物質が明らかになったといえる。平成22年度の研究経過報告としては、日本健康心理学会、北海道心理学会での発表を行い、さらにある程度の結果をまとめたものを論文化し、札幌国際大学紀要に1編、他1編を学術雑誌に投稿した。
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Research Products
(3 results)