2009 Fiscal Year Annual Research Report
英国のエスニック・マイノリティ児童・生徒の「教育的包摂」に関する研究
Project/Area Number |
21530788
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
渡部 孝子 Gunma University, 教育学部, 准教授 (90302447)
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Keywords | 教育的包摂 / エスニック・マイノリティ / 英国 / EAL |
Research Abstract |
平成21年度は、英国における特別な教育ニーズを持つエスニック・マイノリティ児童の教育実態についての調査を行った。具体的には、エクセター市モントゴメリー初等学校において3日間の参与観察、教員への聞き取り調査とアンケート調査を実施した。本調査により、学校全体のエスニック・マイノリティの児童受け入れや親学級での教育的配慮や、特別な教育ニーズを持つエスニック・マイノリティを受け入れる際の課題について明らかになった。また、エクセター大学教育学部の専門家への聞き取り調査で、本課題に関する研究論文や著書についての情報提供を得た。 さらにマンチェスター市当局のエスニック・マイノリティ・アチーブメント担当者への聞き取り調査を行い、マンチェスター市では特別な教育ニーズを持つエスニック・マイノリティ児童・生徒の教育に関する教員研修が提供されていること、そして過去の研修資料を入手することができた。 また教員養成における取り組みについて、TDA(教員研修訓練庁)において担当者へ聞き取り調査を行い、インクルーシブ教育政策が、大学教員養成や教員研修にどのような形でその理念が取り入れられているのかシステムやカリキュラムについて幅広い知識を獲得することができた。 平成21年度の研究を通して、特別な教育ニーズを持つエスニック・マイノリティ児童・生徒への教育的配慮は、どちらのカテゴリーに分け、学校の中で誰が中心となって担当するのか、つまり付加言語としての英語専門家(補助教員)か特別な教育ニーズを持つ子供のためのコーディネータか、という役割分担にどのような柔軟性が必要なのかが課題であることがわかった。
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