2011 Fiscal Year Annual Research Report
英国のエスニック・マイノリティ児童・生徒の「教育的包摂」に関する研究
Project/Area Number |
21530788
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
渡部 孝子 群馬大学, 教育学部, 准教授 (90302447)
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Keywords | 教育的包摂 / エスニック・マイノリティ / 英国 / EAL |
Research Abstract |
本研究は、英国のエスニック・マイノリティ児童生徒の「教育的包摂」に関する教育政策と教員養成カリキュラムの研究である。また本研究は、日本の外国人児童生徒の教育の充実を目指した教員養成カリキュラム開発に応用するための基礎研究として位置づけられる。 英国は1997年に労働党が政権を獲得して以降、エスニック・マイノリティ児童生徒の学力向上に関わる施策を展開してきた。特徴的な政策の一つとして、特別支援教育の枠組みにエスニック・マイノリティ児童生徒の付加言語としての英語教育を加えた「教育的包摂」政策が挙げられる。そこで、「教育的包摂」に焦点を当て、児童、教員、管理職等、様々な立場における認識や問題意識を明らかにすることを本研究の目的とした。 平成23年度に行った調査は、主として以下の3つである。NALDICの学会や英国の専門家への聞き取り調査を通した資料・情報収集、2)英語を母語としない児童生徒の教育課題を探るためのアセスメントの分析、3)マンチェスター・メトロポリタン大学教員養成課程で学ぶ学生へのアンケート調査実施である。 研究結果として、特にEAL児童が特別な教育的ニーズを有しているか否かを判断するアセスメントの開発に関する取り組みを調べ、分析した。分析から、母語の習得状況やリテラシー能力の情報の分析の仕方について論文にまとめて発表した。また、マンチェスター・メトロポリタン大学において学校教員養成課程で学ぶ学生への「教育的包摂」に関するアンケート調査から、教員を目指す学生はエスニック・マイノリティ児童生徒への「教育的包摂」について、「ナショナル・カリキュラムを通していかに子どもたちの学力を保障していくのか」が課題 であると捉えていること等が明らかになった。
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