2010 Fiscal Year Annual Research Report
言語活動の充実を図る「学習の共同化と授業方法」の開発研究
Project/Area Number |
21530804
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
湯浅 恭正 大阪市立大学, 大学院・文学研究科, 教授 (60032637)
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Keywords | 教育方法 / カリキュラム / 学習指導 / 学校教育 / 言語活動 / 共同 / 教育理論 / リテラシー |
Research Abstract |
(1)言語活動の充実を図るための教育学研究の潮流を検討し、(1)教科教育・リテラシー論における言語活動の位置づけと「学習の共同化」との関連を分析した。その結果、教科の枠を超えた言語活動の意義、言語活動のリテラシーにおける政治性が論点として抽出され、それを基にした学習の共同化モデルの意義と必要性を論証することができた。 (2)言語活動の背景にある「言語学・言語哲学・言語行為論」研究の潮流、心理学における共同論を検討し、伝統的言語学・新言語学、ヴィゴツキー・エンゲストローム論を分析した。その結果、言語における意味の理論および語用論を踏まえること、言語行為における発話・談話の分析を通して、学習の共同化に資する授業方法の開発が可能であること、言語活動を通して学習の共同を構成するための活動のシステムと形態を創出することの意義と方向性を解明することができた。 (3)わが国における代表的な国語科の言語活動理論と授業方法を検討し、文学の読みの指導における「語り合う文学教育の会」「児童言語研究会」を中心に実証的な聞き取り・参与観察を行った。その結果、読みの主体形成に力点を置いた言語活動が学習の共同化に発展するための授業方法の条件、読み手の内部に文学の「言葉」を形成し、対自・対他の対話という共同化を図る言語活動のあり方を探る論点を解明した。 (4)平成21年度に収集した「表現の指導」における言語活動の授業記録を分析し、その結果、子どもの表現と交響的な空間の創出のための授業方法のあり方を解明した。さらに生活教育を基盤にした「算数科」の授業を分析し、意味の生成と言語活動を促し、学習の共同化を促進する教師の指導性を解明することができた。
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