2011 Fiscal Year Annual Research Report
言語活動の充実を図る「学習の共同化と授業方法」の開発研究
Project/Area Number |
21530804
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
湯浅 恭正 大阪市立大学, 大学院・文学研究科, 教授 (60032637)
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Keywords | 教育方法 / カリキュラム / 学習指導 / 学校教育 / 言語活動 / 共同 / 教育理論 / リテラシー |
Research Abstract |
(1)平成21・22年度に研究してきた成果を踏まえて、言語活動の基礎理論を再検討した。特にヴィゴツキーの学習論を取り上げて言語活動と概念形成の関連及び文学の読みと言語活動論の基礎となる研究枠組みを抽出することができた。最終年にあたり、当該研究分野の研究動向を総括するとともに、言語活動の基礎にある言語行為ンの位置について、オースチン・サールの言語論を検討し、言語哲学の理論としてハーバマス論を検討した。発話内行為論とコミュニケーション論における転回を検討し、本研究課題に対する示唆を考察した。 (2)読解力・読みの指導における言語活動について、平成22年度までに収集した(1)「語り合う文学教育の会」(2)「文芸教育研究協議会」(3)「科学的読みの授業研究会」の資料を総括し、(2)では共同化と集団思考論・聴きあう姿勢・せりあがる授業論、(3)では読みにおける班活動・個人認識と読みの科学化を論点として抽出した。(1)については、読みにおける当事者性と学習の共同化、読みにおける価値葛藤と子どもの自立を論点として抽出し、協力校-三重県尾鷲市-における授業の参与観察を通して、・文学作品の文脈に即しながら、自己の生活現実のコンテクストに立脚して読むという読みの当事者性、・自己の時列の物語を批判的・共同的に問い直す当事者性、・作品の解釈を新しく解釈し直す当事者性という論点を提起し、これが、言語活動における学習の共同化の授業方法の論点であることを解明した。なお、これらの成果を日本教育方法学会第47回大会において公表し、研究の最終的なまとめの参考に供した。 (3)平成22年度までに収集した教科指導と生活との結合・生活教育の視点から探究してきた授業実践の記録を分析し、算数科における言語活動の指導と学智の共同化の論点を解明した。
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