2010 Fiscal Year Annual Research Report
少年院及び刑務所における矯正教育の構造と過程に関する教育学的研究
Project/Area Number |
21530807
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Research Institution | Tokyo Keizai University |
Principal Investigator |
高井良 健一 東京経済大学, 経営学部, 教授 (50297339)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
廣田 照幸 日本大学, 文理学部, 教授 (10208887)
伊藤 茂樹 駒澤大学, 総合教育研究部, 教授 (70251569)
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Keywords | 矯正教育 / 変容 / 薬物防止教育 / 問題群別指導 / 援助者の専門的成長 / 関係性 / 贖罪 / フィールドワーク |
Research Abstract |
本年度は、「少年院、刑務所等の矯正施設における教育的諸処遇(以下、「矯正教育」とする)」に関して、教育学的観点から、その構造と過程を明らかにするために、次のような調査、研究、プロジェクトを行った。 まず、質問紙プロジェクトでは、全国の47少年院を対象とした質問紙調査を実施した。この質問紙調査は「矯正教育の実際と職員の意識に関する調査」(法務教官対象)および「生活と意識に関する調査」(在院少年対象)からなっている。これらの調査を通して、在院の少年たちの属性ならびに意識が明らかになった。同時に、例えば、非行の原因について、法務教官が少年の親子関係にあると見なしているのに対して、在院少年は自らの生まれつきの性格にあると考える傾向にあるなど、両者の意識のズレも明らかになり、今後の矯正教育に寄与する貴重な知見が得られた。この調査から得られた知見については、諸学会で発表を行っている。 また、フィールドワークプロジェクトでは、岡山少年院のほか、筑紫少女苑、有明高原寮において施設、教育活動の参観を行った。とりわけ、有明高原寮での参観は、矯正教育における地域の果たす役割を認識させられるものであり、今後の研究の指針を与えられた。さらには、ネットワークプロジェクトでは、法務省矯正局の木村敦氏を招いて、研究会を行うことにより、内側から見た矯正教育についての理解を深めることができた。 これらの研究とアウトプットにより、本研究の研究目的の実現に向けて、大きく前進するとともに、来年度のさらなる研究進展の展望が開けたといえる。
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Research Products
(9 results)