2011 Fiscal Year Annual Research Report
アジア・太平洋地域の社会開発を支援するコミュニティ学習施設に関する基礎的研究
Project/Area Number |
21530824
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
手打 明敏 筑波大学, 人間系, 教授 (00137845)
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Keywords | 公民館 / CLC / ノンフォーマル教育 / ESD / 指定管理者制度 |
Research Abstract |
本研究は、戦後の日本の社会開発に寄与してきた公民館実践の蓄積をアジア・太平洋地域の社会開発に生かす方略を構想することを意図している。その前提としてアジア・太平洋地域のコミュニティ学習センター(CLC)の現状と課題について、日本の公民館関係者の認識の共有化を図ることを目的としている。 本年度は、これまで2ヶ年にわたって実施してきた国内外地域の調査結果を検討し、まとめの作業をおこなった。 公民館・CLCは基礎自治体ないし基層レベルに設置されており、地域住民に対する教育事業や学習支援の拠点となっている点で共通性を指摘できる。持続可能な開発のための教育(ESD)拠点としての公民館・CLCということが共通の性格として指摘できる。しかし、各国の社会構造や社会経済、教育制度の違いにより公民館・CLCの設置基盤や管理運営の仕組みには、行政直営型と民間委託型が見られた。また教育法で規定されている国もあれば無い国もある。職員の雇用形態も、常勤職、非常勤職、嘱託職員など多様性がみられた。 本研究を通じて、現在日本社会で生起している公民館の管理運営をめぐる指定管理者制度や教育委員会から首長部局への移管などの事象を考察する際に、これまで議論されてきた日本社会での視点を相対化する視点を得ることができた。 本研究の成果は、科学研究費補助金基盤研究(C)研究成果報告書『アジア・太平洋地域の社会開発を支援するコミュニティ学習施設に関する基礎的研究』として刊行された。
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