2009 Fiscal Year Annual Research Report
ドイツにおける大学教員文化の転換と教授コンピテンス開発の支援体制に関する研究
Project/Area Number |
21530828
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
津田 純子 新潟大学, 教育・学生支援機構, 教授 (90345520)
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Keywords | 大学教授法 / コンビテンス概念 / ファカルティ・ディベロップメント / 大学教員文化 |
Research Abstract |
平成22年度繰越分により、コンピテンス概念とFD動向(後継者の育成、チューター・プログラム)について、先進的FD地域の代表者7名にインタビュー調査を実施し、州立・国立図書館で文献調査により次の有益な知見を得た。 1.若手研究者の育成:ボローニャ・プロセスのもとで、DFGによって「大学院制度」が1990年代初めにPhD取得をめざす「Graduiertenkolleg」と、連邦と州の協定(2005)に基づく「エクセレンス・イニシアティブ」の部分として「Graduiertenschule」の形で整備されてきた。優れた研究環境の中で構造的に育成するために、若手は教授らの共同研究プロジェクトへの学術協力者となり、DFGなどから年間4万~4.5万ユーロの奨学金で研究生活が保障されている。キャリアアップのための期間は、WissZeitVG(2007)によって上限15年(6年間博士論文の作成、9年間教授職応募)と定められた。若手研究者は「エクセレンス・イニシアティブ」が奨励する以下の点の中心的な受益者とみなされる。;早期のキャリアアップ計画の可能性(テニュア・トラックの拡大)、機会均等のための奨励策、国際化(外国人研究者、国際交流の奨励)、キャリアアップ奨励策(メンター、プログラムの拡大、キャリアサービス、インターンシップ、研究ネットワーク)、教育と研究の統一奨励策。キャリアサービスには、大学教授法資格証明書を取得できる研修プログラムがある。経験的教育学習研究は、重点的研究分野として奨励されている。 2.教育の質協定(教育連邦と州)による若手育成策:2011年~2020年までおよそ20億ユーロが拠出され、最適な学習条件の整備を目的として、(1)大学での指導状況改善のために大学によりよい職員の配置(教授、中間職、チューター)、(2)教育、指導相談を使命とする職員の能力向上策、(3)教育の質の継続的向上と教育の専門職化策。このもとで、チューター資格プログラム、さらにはチューター指導スタッフやFDer向けに資格プログラムが開発されている。
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