2010 Fiscal Year Annual Research Report
地域における幼稚園の有効な子育て支援のあり方に関する研究
Project/Area Number |
21530836
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Research Institution | Hyogo University of Teacher Education |
Principal Investigator |
名須川 知子 兵庫教育大学, 学校教育研究科, 教授 (50144621)
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Keywords | 子育て支援 / 幼稚園 / インタビュー / 地域 / 親育て・親育ち |
Research Abstract |
本研究では、(1)地域における幼稚園の「子育て支援センター」としての役割について、実態を把握し、その課題、問題点を明らかにする。また、(2)モデル園の様子を調査する。(3)さらに、課題の社会学的な観点からの理由等についても考察を加え、分析をすすめることで、現実にどのような子育て支援が可能であるのか、普遍的な実践的モデルを提示することを目的としている。幼稚園の子育て支援として考えられる内容として、(1)保育参観、(2)保育参加、(3)在園児の園庭開放、(4)未就園児の園庭開放、(5)子育て講演会等の啓発活動、(6)未就園児の行事への招待、(7)子育て相談、(8)子育て電話相談、(9)おやじの会など父親参加の活動等の項目について、チェック方式と自由記述欄を設けて全国調査実施し、また、子育て支援事業をすることで、(1)保護者の成長、負担、(2)教職員の成長、負担、(3)園の経営上及び保育上の影響を4件法と自由記述で尋ねた。962園(有効回収率56.1%)な回答から、全国的に園庭開放や啓発活動は、概ね実施されていることが明らかとなった。未就園児親子への園庭開放、子育て相談は実施されつつあることがわかった。一方、電話での子育て相談、おやじの会など父親中心の活動等はまだ十分とは言えない状況である。 子育て支援事業は必要性を感じながら、負担感があり、実施が難しいといった自由記述が多く見られた。そこで、本年度はこれらをふまえて、兵庫県内の5つの幼稚園及び子育て支援事業を熱心に実施している札幌市の幼稚園を訪問し、そこでのインタビューを実施した。その結果、いずれも在園児の成長のためにはまず親の子育てへの支援が必要であり、そこから子育てをとおした親としての成長が見いだせることが明らかとなった。そのインタビューの詳細な分析は今後実施していく予定である。また、今後さらなるインタビューを計画している。
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