2011 Fiscal Year Annual Research Report
分権化時代における教育ガバナンスと地方教育行政システムに関する理論的・実証的研究
Project/Area Number |
21530854
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Research Institution | Kio University |
Principal Investigator |
白石 裕 畿央大学, 教育学部, 教授 (50025110)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小松 茂久 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 教授 (50205506)
白川 優治 千葉大学, 普遍教育センター, 助教 (50434254)
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Keywords | 教育委員会 / 地方教育行政 / 教育振興基本計画 / 学校統廃合 |
Research Abstract |
本研究は地方自治体における教育政策の形成過程において、多数のアクターが関与し、その相互作用によって教育政策が形成される過程を教育ガバナンスの分析枠組みを用いて、その実態を明らかにすることを試みた。2010年5月~8月には全国1750市区町村(2010年4月1日現在悉皆)を対象にアンケート調査を実施した。アンケート調査では教育長、教育委員長、首長、当該市区町村内から無作為抽出した1校の公立小学校長、同校のPTA会長の1市区町村あたり6者に調査票を配布した。これらの6者を対象とした調査を中心に、本研究では市町村内におけるアクター間の相互作用による教育ガバナンスの現状を明らかにすることを課題として取り組んだ。 本研究では市区町村における教育政策形成過程における教育ガバナンスの現状について、教育振興基本計画と学校適正配置計画の2つの政策課題を取り上げてアンケート調査にもとづく実証研究に取り組んだ。その結果、市区町村の教育ガバナンスにおいて中心的な役割を果たしているのは教育行政に関係するアクター(アンケート調査の配布対象者では教育長、教育委員長)であった。また、市区町村の教育ガバナンスを構成するアクターは政策課題によって、発揮しうる影響力に差が見られる場合があり、特に政治的なアクター(首長、議会文教委員会委員長)は学校適正配置計画に関して、学校に関係するアクターの内、校長は教育振興基本計画について相対的に大きな影響力を持っていることが明らかになった。
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