2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21530884
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
白土 悟 九州大学, 留学生センター, 准教授 (60154374)
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Keywords | 中国 / 留学人材 / 瀋陽 / 大連 |
Research Abstract |
1.国際交流基金の海外日本語教育2006年度調査によれば、遼寧省は学校における日本語学習者数が中国で最も多い地方である。内訳を見ると、学習者は高等教育では31,529人、初等・中等教育では26,166人であり、初等・中等教育では朝鮮族中学・蒙古族中学の学習者が大半を占めている。彼らは民族大学の入試科目に日本語を選択できる。しかし反面、英語を学習しないので教育部直轄の著名大学に合格できないので、近年では民族中学でも英語を学習する者が増加しつつある。 2.平成22年度末、大連外国語学院の日本語学院・継続教育学院と遼寧対外経貿学院において計296人の日本語学習者にアンケート調査を実施したが、その集計結果を分析した。それによると、回答者の296人中248人(83.8%)が女子であった。つまり、総体的に見て、日本語学習者には女子が多い。また、そもそも大学で日本語専攻を選択した理由では「日本語ができれば、就職に有利だと思う」という回答が296人中241人(82%)、「日系企業に就職したい」が203人(68.6%)に達した。また、「日本に留学したいと思う」は200人(67.8%)だった。すなわち、就職に有利な点と日本留学志向が日本語学習の強い動機付けになっている点は注目すべきであろう。 3.福岡市の日本語学校である九州英数学館国際言語学院および西日本国際教育学院において、中国学生リクルート、教育と生活指導、進学指導等について面接調査を実施。在籍管理の良い日本語学校は入管の在留許可率が高いので、入学希望が多くなる。厳正な選抜は、大学進学や就職の実績につながる。即ち、日本語学校は、課題は様々あるにしても、経営上、厳格なリクルート、教育と生活指導、進学指導等を実施せざるを得ないように制度的整備がなされている。 4.平成21~23年度の調査研究成果をまとめるために、連携研究者との打ち合わせ会合を4回開催し、研究成果報告書をまとめている。
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