2009 Fiscal Year Annual Research Report
高等教育における学習成果アセスメントと質保証に関する国際比較研究
Project/Area Number |
21530902
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Research Institution | National Institute for Educational Policy Research |
Principal Investigator |
深堀 聡子 National Institute for Educational Policy Research, 高等教育研究部, 総括研究官 (40361638)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
南部 広孝 京都大学, 教育学研究科, 准教授 (70301306)
宮崎 元裕 京都女子大学短期大学部, 初等教育学科, 講師 (20422917)
鈴木 俊之 青山学院女子短期大学, 子ども学科, 講師 (50346095)
楠山 研 長崎大学, 教育学部, 助教 (20452328)
石川 裕之 京都大学, 高等教育研究開発推進センター, 助教 (30512016)
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Keywords | 教育学 / 社会学 / 学習成果 / 質保証 / 国際比較 / 高等教育 |
Research Abstract |
大学は、その質をいかに保証しているのだろうか。各国の大学の質保証は、だれ(政府・教授団・市場)によって、どの時点(入口段階・中間段階・出口段階)で、いかなるアプローチ(設置認可・適格認定・学習成果アセスメント等),を用いて実施されており、そのあり方は高等教育の発展段階や、大学の管理運営における自立性の程度とどのような関係にあるのか。また、学習成果アセスメントは、マス(ユニバーサル)化が進行する大学の質を保証する新たなアプローチとして有望視されているが、実態として各国の質保証システムのなかでどのように位置づけられており、いかなる可能性と限界が認められているのか。そして、大学の質保証システムの国際通用性を高めるために、各国でいかなる戦略がとられており、学習成果アセスメントにいかなる役割が期待されているのか。 本研究は、国際比較のアプローチをもちいて、これらを明らかにすることをめざす取り組みである。3年計画で進める本研究の1年目には、各国の質保証システムの特徴を明らかにする作業に取り組んだ。すなわち、「大学のマス(ユニバーサル)化」と「大学の私費負担率」を分析軸とする研究枠組みを構築し、大学のマス化と私費負担の状況および今日的変化に関する7つの仮説を検証するアプローチをとりながら、各国における大学の質保証システムの特徴について理解を深めた。研究対象として取り上げたのは、「マス化(高)×私費負担(高)」型の韓国・アメリカ・イギリス・台湾、「マス化(低)×私費負担(高)」型の中国・日本・トルコ、「マス化(低)×私費負担(低)」型のアイルランド、「マス化(高)×私費負担(低)」型のオランダである。大学の質保証システムを体系的にとらえ、各条件のもとで学習成果アセスメントがもつ意義を検討する試みは、その導入のあり方を検討するうえで、重要な示唆を提供すると考えられる。
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Research Products
(4 results)