2011 Fiscal Year Annual Research Report
自分の成長と家族関係を省察する小中一貫の家庭科授業開発
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21530918
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
堀内 かおる 横浜国立大学, 教育人間科学部, 教授 (00252841)
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Keywords | 家族 / 絵本 / 教員研修 / 家庭科 / 教材 |
Research Abstract |
平成23年度は、平成21年度・22年度に収集した絵本の中から特に20冊を選定し、教材として活用を教育現場に普及・浸透させるための研修活動に重点を置いた。 8月には、横浜国立大学で開催された教員免許状更新講習にあたり、「絵本に描かれた家族像から考える授業開発」と題する講座を開講した。受講者は29名で、内訳は小学校教員19名、中学校教員2名、高等学校教員6名、特別支援学校教員1名、教育委員会勤務1名であった。講座の内容は、絵本の教材としての可能性についての講義を受けて、用意した20冊の絵本を読み合い、教材としてどの教科や教育活動でどのように活用できるか話し合った。その後、グループで1冊を選び、具体的な授業提案を考え発表した。家庭科はもとより、国語、道徳、特別活動、総合的な学習の時間、人権教育といった観点から絵本を教材として使用するプランが提起され、絵本の含蓄の深さを共有できた有意義な講習となった。 さらに、平成24年1月に開催された横浜国立大学教育人間科学部附属鎌倉小学校教育UPセミナーにおいて、講師として提案授業の立案にかかわった。授業では、小学校第6学年の子どもたちによる家庭科の学習のまとめとしての絵本作りを行った。セミナー当日は、講師として家庭科の授業開発における絵本の活用に関する講義と演習を行い、参加者に絵本を教材として授業を考案する可能性を提案した。 今後に向けて、平成23年度の授業研究対象学年であった附属鎌倉小学校の第6学年児童の大半が進学する附属鎌倉中学校の家庭科担当教師と平成24年度の発展的授業実践研究の打ち合わせを行い、平成24年度後半に絵本を教材とした家族分野の授業をアクション・リサーチの手法で実施することで了解を得た。 アクション・リサーチの方法論については、平成23年9月に参加した英国教育学会で最新の情報を収取し、授業者である教師とのコラボレーションを行う際の留意点が確認できた。恥
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り、小学校における授業提案と実践研究を実施し、家庭科学習における絵本の教材としての有効性を検証することができた。また、教員研修で絵本の教材としての活用に関する提案を行い、受講者の教員から絵本の教材としての有効性について高い支持を得ることができ、家庭科及び他教科等の授業における教材としての絵本活用の可能性が大きいと確信できた。
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Strategy for Future Research Activity |
教育現場との連携のもと、さらなる授業実践研究を重ね、絵本を教材として家族学習を展開するうえでの授業実践事例を蓄積するとともに、教員研修等において実践例を紹介し、家庭科授業計画立案に資するような教員支援を行っていく。
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