Research Abstract |
平成23年度(第3年次)は,最終年度として,次のとおり,1研究整理,2事例研究及び研究総括,3情報発信を行った。 1研究整理:先行研究や本研究のこれまでの研究結果について,整理,分析,考察を行った。また,文献研究や学会参加などを通して,生活科教育,脳科学,言語学などにおける気付き,クオリア,言語獲得などについて,引き続き情報収集を行った。 2事例研究及び研究総括:クオリアを表現する言葉の使用状況について,小学校児童および大学生を対象に調査,分析し,考察した。また,生活科授業におけるクオリアとしての気付きの状況や交流による質の高まりの様子を捉えて考察した。これらの研究結果を踏まえ,クオリアとしての気付きを測定する生活科学習評価法として「生活科において表現される主なクオリア理解のための枠組み」や「クオリアとしての気付きを引き出す発問例」を提示し,その意義や可能性,留意点などについて考察した。 3情報発信:研究経過及び成果について,日本生活科・総合的学習教育学会において学会発表を行った。また,研究総括として,研究報告書(序章 研究の目的と方法,第1章 概念規定,第2章 クオリアを表現する言葉,第3章 クオリアに関する言葉の使用状況,第4章 米国におけるクオリアに関する教育状況,第5章 生活科学習におけるクオリアとしての気付き,第6章 クオリアとしての気付きを測定する評価法,終章 研究の成果と課題)を作成した。 本研究において,生活科における気付きの本質である「クオリア」を測定する一方法を提示したこと,及びこの研究課題に関する研究や実践上の困難点や課題を明らかにしたことは,本研究の成果である。
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