2009 Fiscal Year Annual Research Report
音楽科教育における箏指導の楽曲教材開発-古典の手ほどきの調査研究を通じて-
Project/Area Number |
21530978
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Research Institution | Tokyo National University of Fine Arts and Music |
Principal Investigator |
長谷川 慎 Tokyo National University of Fine Arts and Music, 音楽学部, 講師 (00466971)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐野 靖 東京芸術大学, 音楽学部, 教授 (80187278)
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Keywords | 日本音楽 / 和楽器指導 / 箏曲 / 音楽科教育 / 教材開発 |
Research Abstract |
研究初年度となる本年は、実演家に対するアンケート実施のために、アンケート内容の精査を行い、アンケート用紙の作成を行った。アンケート実施エリアは、北海道(釧路・札幌)、山陰(鳥取・島根)、大阪、名古屋、岐阜、神奈川の地元箏曲家が所属する協会に対して配布協力を求めた。回収率は、おおむね8割を超えるものであった。このほかにも、女流箏曲人の会、個人的に依頼をした実演家も行った。 アンケートについては22年度も引き続き各地域に依頼を行う予定である。 アンケート調査と合わせて行ったのが、実演家に対する聞き取り調査である。プロフィールに始まり、自身の幼少期・箏曲学習開始時期の学習方法、手ほどき曲・手ほどきについての映像とスチール写真による撮影を行った。これにより、箏の手ほどきについて、その学習方法について現在広く行われている学習方法と異なる点が浮き彫りとなった。楽譜は用いず口頭による教授、稽古時間は15分程度ながらほぼ毎日師匠のところに稽古に行く点、口唱歌を用いる点である。この点についても引き続き22年度も聞き取り調査を行う予定である。 教員に対する和楽器の指導に関してのアンケート調査・聞き取り調査は、22年度に行う予定にしているが、事前調査として札幌・帯広・名古屋・米子について現地に赴いて教員等に聞き取り調査を行い、アンケート内容についての精査および現状についての調査を行った。 「和の感性」について、その定義付けを行うために、教員養成大学の学生を対象として学生が考える「和の感性」について聞き取りを行った。定義付けに向け22年度以降実演家への聞き取りを合わせて行う予定である。 文献調査として、現在刊行されている箏曲の楽譜および手書き譜等の歴史的資料を収集し手ほどき曲がどのような狙いで用いられているかを分析した。
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