2009 Fiscal Year Annual Research Report
中等学校教育における総合芸術教育プログラム:「美的教育」ワークショップ
Project/Area Number |
21530981
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
桂 直美 Toyo University, 文学部, 教授 (50225603)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荒尾 岳児 東京音楽大学, 音楽学部, 准教授 (10378284)
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Keywords | 美的教育 / ワークショップ / リンカーンセンター / 総合芸術教育 / 表現教育 |
Research Abstract |
本研究は、中等学校教育において、現行の教科教育の枠組みを超えて総合芸術教育を実施するための「美的教育」プログラムを、米国のリンカーンセンターにおける先駆的な実践に学びながらモデルカリキュラムの形で開発することを目的としている。 本年度は、リンカーンセンターインスティテュートが現職教員を対象として「美的教育」の授業の普及のために行っているワークショップの中から、音楽と美術を主要な構成要素としているものを選んで、参加観察を行い分析的に検討し、一連の活動中で、美術作品を核とした部分と音楽作品を核として行われる部分とを比較した。ティーチングアーティストから出される「問い」と作品の関係、学習者による構成的活動と作品との関係を視点としてワークショップを検討し、美術と音楽のワークショップの性格の違い、とりわけ音楽作品を巡ってパフォーマーの視点から構成されるワークショップの難しさが明らかになった。 次に、日本の学校環境で実施可能な、現代音楽作品を核としたワークショップのデザインを行った。リンカーンセンターインスティテュートにおける美術のワークショップをプロトタイプとし、学習者を創作家の立場に立たせることを最重要原理とした原プランを、大学院生を対象として試行を行い、音楽に関するワークショップにおいて必要な変更点について示唆を得た。現在、中等学校における授業への翻案を継続中である。
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