2010 Fiscal Year Annual Research Report
高度情報化社会に必要な国語力としての視覚的リテラシーをデザインした系統表の開発
Project/Area Number |
21530999
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Research Institution | Women's Junior College of Nippon Sport and Science University |
Principal Investigator |
奥泉 香 日本体育大学, 女子短期大学部・幼児教育保育科, 教授 (70409829)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北澤 裕 早稲田大学, 教育総合科学学術院, 教授 (20204886)
中川 一史 放送大学, ICT活用・遠隔教育センター, 教授 (80322113)
北川 達夫 日本教育大学院大学, 客員教授 (70537399)
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Keywords | 視覚的リテラシー / 母語教育 / リテラシー / メディア・リテラシー / 複合テクスト |
Research Abstract |
平成22年度は、平成21年度「研究実施計画」に基づいて調査に赴いたフィンランドやニュージーランド、オーストラリアで調査・収集した資料を分析・整理し、これらの国々における視覚的リテラシーの基盤となっている理論の解析を行った。中でもM.A.K.ハリデーの選択体系機能文法を援用した研究を中心に読解・整理し、その成果を全国大学国語教育学会の学会誌である「国語科教育」第69集に投稿し採択していただくことができた。 この理論的基盤を整理・発表したことにより、これまでメディア・リテラシーの理論では必ずしも明確に説明することが難しかった映像と言語との関係を、理論的に説明する道が開けた。例えば、映像における背景と登場入物との関係性から意味構築を行う過程において、我々がどういった言語の知識や文法を用いて意味を構築しているのか等を説明することができるようになった。 またこのことによって、映像テクストと文字テクストが同ページ内に組み合わされ配置されている複合テクストに関しても、これら二者の関係性から意味構築を行う学習過程を説明することが可能になった。この成果によって、今後社会科や理科といった他教科で使用される複合テクストの学習過程やそれらの教材開発においても、この研究を活かしていく可能性が開かれた。 さらに平成22年度の後半は、この理論的基盤を用いて中学生に複合テクストの学習を行ってもらうための実践の開発も行い、二つの中学校で実際に生徒の反応を調査させていただいた。映像テクストと文字テクストが組み合わされ、それらの関係性を読むことによってより深い理解が得られるような教材の選択と発問、そしてそれらを支えるワークシートの開発を行った。理論的基盤の整理と共に、こういった理論を端的に反映した実践の開発とその検証を重ねることによって、理論の実用性を高めるべく検討した。
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