2011 Fiscal Year Annual Research Report
高度情報化社会に必要な国語力としての視覚的リテラシーをデザインした系統表の開発
Project/Area Number |
21530999
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Research Institution | Women's Junior College of Nippon Sport and Science University |
Principal Investigator |
奥泉 香 日本体育大学女子短期大学部, 幼児教育保育科, 教授 (70409829)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北澤 裕 早稲田大学, 教育総合科学学術院, 教授 (20204886)
中川 一史 放送大学, ICT活用・遠隔教育センター, 教授 (80322113)
北川 達雄 日本教育大学院大学, 客員教授 (70537399)
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Keywords | 視覚的リテラシー / 映像的テクス / メタ言語 / 選択体系機能言語学 / 社会・文化的価値 |
Research Abstract |
23年度は前年度までに行った調査や文献の検討を基に、「研究の目的」で言及した視覚的リテラシーを国語科の学習に系統性をもって活かすための基軸を整理し、実践に役立たせることができるようその指標となる要素の整理も行なった。またそれらの基軸や、視覚的リテラシーを実践に活かすためにそれらを具体化し整理した要素群を、「研究実施計画」で述べたオーストラリア連邦ニューサウスウェールズ州のニューイングランド大学教授であるアンズワース(L.Unsworth)氏に、検討していただき改善のための意見を得た。さらに7月には、英国オックスフォード大学で行われたビジュアル・リテラシー国際学会において、本研究の一部を発表し、参会者から貴重な意見を得た。また国内においては、10月に全国大学国語教育学会(高知大会)において、同様に本研究のテーマである視覚的リテラシーの研究成果の一部を発表した。 この全国大学国語教育学会の発表においては、特に視覚的リテラシーを国語科の学習にどのように活かすかといった観点に焦点化させて発表を行った。その要点の一つは、映像的テクストや文字テクストの表記方法に編み込まれ、読者も無自覚の内にやり取りしてしまっている社会・文化的な価値や価値観の問題である。そしてこれらテクストに編み込まれやり取りしている価値や文化的影響を、ことばのテクストと同様あるいはそれ以上に読解過程や産出過程で自覚的に検討させるためには、それらを語る共通のメタ言語の学習が必要である。このことを本研究の成果の一つとして、同学会誌に論文としてまとめ投稿した(採択)。本科研で調査に訪れた英語圏の国々では、上記のメタ言語として選択体系機能言語学を援用し、教科のカリキュラムとの相互関係を整理している。本研究代表者は、本科研の調査によって、日本の国語科においても、こういったメタ言語の整備が必要であるという結論を得た。
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Research Products
(9 results)