2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21540006
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
天羽 雅昭 群馬大学, 大学院・工学研究科, 教授 (60201901)
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Keywords | 無理数 / 超越数 / 超越測度 / 代数的独立性 / パデ近似 / 消去法 |
Research Abstract |
これまでの研究を引き継ぎ、関数方程式の鎖を満たすマーラー型関数の数論的性質についての研究をVaananen氏(オウル大学、海外研究協力者)とともに行い、以下の2つの成果を得た。 (1)これまでの研究で、無限積関数が有限な無理数度を持つ場合に、その関数の代数的数での特殊値の超越測度を得ていたが、これを公理化し、無限積関数とは切り離した形の定式化を得た。これにより、マーラー型関数の特殊値について今までに得られている結果を統一できるとともに、マーラー型関数以外への応用の可能性が拓かれた。 (2)これまでの研究で、無限積関数たちが有限な無理数度を持つ場合に、それらの関数の整数分の1での特殊値の代数的独立性についての結果を得ていたが、関数が2つの場合について、補助関数の零位数評価に関する結果とネステレンコ氏(モスクワ大学)による消去法を用いて、代数的数での特殊値の代数的独立性を証明した。これにより、無限積関数が2つの場合に限っては、最も一般的な形で代数的独立性が示されたことになる。さらに、これを関数が3つ以上の場合に拡張することが今後の重要な課題となるが、そのためには消去法の再検討を含め、より広い視野での研究が必要とされることが予想される。 なお、これらの研究成果については、Vaananen氏と共著論文を準備中である。 研究代表者は、当該研究費補助金によりフィンランドへの渡航(2011年8月2~18日)を行った。この渡航は、上記の研究成果を得るに当たって重要な役割を果たした。
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