2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21540019
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
竹田 雄一郎 Kyushu University, 大学院・理学研究院, 准教授 (30264584)
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Keywords | 代数的K理論 / レギュレーター写像 / 代数サイクル / アラケロフ幾何学 |
Research Abstract |
本年度は,レギュレーター写像の簡単な表示を見つけることを目的に研究を進めた.そして,Goncharovにより与えられた代数サイクル上の積分が,レギュレーター写像を記述することの証明をみつけた。このことは,Feliu氏の学位論文の結果と筆者独自の研究の視点を組み合わせることにより実現された.Barcelona大学のBurgos教授とFeliu氏との共著の論文の中で,この結果を発表した.この結果を,5月に群馬県の丹原で行われた数論幾何学の国際研究集会において発表した. また,アラケロフ幾何学における計量つきベクトル束の数論的な特性類の理論を高次化することを目標に研究を進めた.これはちょうど,レギュレーター写像のアラケロフ幾何学における対応物を構成することに相当する.Iterated doubleとよばれる既約でない代数多様体(球面の代数幾何における類似物)上のGrothendieck群が多様体の高次代数的K群を表示することを,Levineは証明した.筆者は,そのiterated double上の計量つきベクトル束の特性類の理論のアラケロフ幾何学における類似をみつけることが,上記の目標を達成することにつながると考えて研究を進めた.そして本年度は,iterated double上の計量つきベクトル束に付随するチャーン形式の理論を構築することに成功した.上述の特性類の理論の高次化を達成するためには,この結果を高次の代数サイクルの理論と結びつけるが必要であるが,それは次年度の課題である.
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