2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21540039
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
石井 亮 広島大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (10252420)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
島田 伊知朗 広島大学, 大学院・理学研究科, 教授 (10235616)
木村 俊一 広島大学, 大学院・理学研究科, 教授 (10284150)
隅広 秀康 広島大学, 大学院・理学研究科, 名誉教授 (60068129)
|
Keywords | 代数幾何学 / 導来圏 / マッカイ対応 / ミラー対称性 |
Research Abstract |
本年度は,主にspecial McKay対応と半直交分解について研究した.SL(2,C)の有限部分群Gによる商特異点に対し,その最小特異点解消の幾何学とGの表現論とを結びつけるのがMcKay対応である.McKay対応は,最小特異点解消の連接層の導来圏とGと多項式環の接合積上の有限生成加群の導来圏の圏同値として実現することができる.より一般にGがGL(2,C)のsmallな有限部分群であるとき,最小特異点解消から得られるものの方が,接合積から得られるものよりも小さい.圏論的には,最小特異点解消の連接層の導来圏が,接合積の有限生成加群の導来圏の充満部分圏になる,ということが知られている.本年度研究したのは,その「差」に当たる部分の構造である.その成果として,接合積の有限生成加群の導来圏が,最小特異点解消の連接層の導来圏と,例外列による半直交分解を持つ,ということを示すことができた. さらに,invertible polynomialに付随するDeligne-Mumford stack上に,充満例外列が存在するか,という問題にも取り組んだ.上記special McKay対応に関する成果の応用として,2次元の場合には確かに充満例外列が存在する,ということを示すことが出来た.これは,invertible polynomialに関するホモロジー的transposeミラー対称性予想から予想されることであった.従って2次元の場合に限定されるが,transposeミラー対称性予想を支持する結果が得られたということになる.
|
Research Products
(6 results)