2011 Fiscal Year Annual Research Report
接触幾何とシュワルツおよびツイスター理論による非可換偏微分方程式論の構築
Project/Area Number |
21540076
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
佐藤 肇 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 名誉教授 (30011612)
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Keywords | 放物幾何 / シュワルツ微分 / リー・テンソル積構造 / ルジャンドル織物 / グロンウォール予想 |
Research Abstract |
古典的な高次のシュワルツ微分は、それを係数とする線形偏微分方程式系を与えることができて、シュワルツ微分の偏微分方程式による平坦条件がその線形偏微分方程式系の可積分条件となり.解達の射影化により、シュワルツ微分を与えた正則変換が再生される.本研究は,これを高次元化するとともに,接触幾何の分野の中で,さまざまな幾何構造に対して完成し,冪零な構造への一般論に拡張して,それらを,配置空間の一意化問題などに応用するのが目的であった.冪零幾何学の中では,半単純リー群の放物型部分群による商空間をモデルとする放物幾何が基本的であるが,その中でも,一つのルートに対応する部分群により定まる構造が最小の構成分子となる.本研究で,この幾何学的構造をリー・テンソル積構造と名付けて,その上での解析の基礎となる接続を確定した.従って,この接続の変化を与えるシュワルツ微分を定義することが可能となった.局所微分同相に対する具体的なシュワルツ微分の表現が次の課題として残っている. また,実施計画とした,3階の常微分方程式の同値問題の結果を,本研及での定理を応用して得ることが出来た,3次元接触多様体上のルジャンドルd・織物に対してのグロンウォール予想の証明を得たが,さらに次元を一般化して研究するということでは,まずルジャンドルd・織物の最高階数の有限性とその数の決定が最初の基本的問題となる.d=3の場合でも,一般次元の場合の結果は知られてはいないので,連携研究者と共同の研究で,少しずつ最高階数の決定が解明しつつある.
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Research Products
(3 results)