2011 Fiscal Year Annual Research Report
一般化2階微分作用素のスペクトル理論再論とその確率論への応用
Project/Area Number |
21540109
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
笠原 勇二 筑波大学, 数理物質系, 教授 (60108975)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梁 松 筑波大学, 数理物質系, 准教授 (60324399)
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Keywords | Kreinの対応 / 1次元拡散過程 / 極限円 / 推移確率密度 |
Research Abstract |
1次元の2階微分作用素は、弦の振動の記述をはじめ、1次元拡散過程の記述など多くの場面で現れる。この作用素に関するスペクトル理論はWeyl-Stone-Titchmarsh-Kodairaの展開定理が古典的であるが、ここでは差分作用素も含むように一般化された2階微分作用素を考える。この一般化は逆問題を考える上で本質的であることが知られていて、特に左端が反射壁であるとき、作用素とスペクトル関数の間の完全な1対1対応がKreinによって与えられている。この対応は最近、小谷真一氏により大きく発展し、左端が(Wey1の分類で)極限円型の壌界の場合にまで拡張された。本研究では、これを用いて、それをスペクトル関数の漸近オーダーを求める問題に応用し、またそれを拡散過程の問題に応用することを目的とした。本年の研究では、オーダーの次数に制限があるものの、ほぼ完全な対応関係を与えることが出来た。成果はまとめつつあるが、まだドラフト段階であり次数の制限を取り除く努力をしている段階である。なお、本年度にはこの問題から派生した問題を2つ扱った。いずれも、論文を投稿中ないしは受理済みである。1つの話題は正再帰的拡散過程の推移確率密度の漸近挙動に関するものであり、もう1つの話題は、1次元拡散過程の最大値の漸近挙動についてである。後者では、正再帰的な拡散過程の最大値についての古典的な定理を発展させ、また零再帰的な場合についても最大値に関する極限分布にMittag-Leffler分布の混合が現れることを示した。
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Research Products
(4 results)