2009 Fiscal Year Annual Research Report
波動伝播現象の数値解法と情報・エネルギー伝達問題への応用に関する研究
Project/Area Number |
21540116
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
加古 孝 The University of Electro-Communications, 電気通信学部, 教授 (30012488)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今村 俊幸 電気通信大学, 電気通信学部, 准教授 (60361838)
小山 大介 電気通信大学, 電気通信学部, 助教 (60251708)
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Keywords | 波動伝播 / 数値計算 / エアリード / アンテナ / 高伝導度モデル / FDTD / 多重散乱問題 / マルチコア |
Research Abstract |
本年度の課題として設定した4つの課題に付いてそれぞれに成果を得た。まず、3次元音響場の数値計算手法の確立と数値計算プログラムの実装については、研究分担者の小山大介により、音響多重散乱問題に対する応用を念頭においた領域分割並列計算手法の開発が進められた。特に、多重Dirichlet to Neumann写像を利用した並列シュワルツ法を開発し、その収束証明を数理的に行い数値的にも収束性を確認した。ついで、流体音源の数値計算手法の開発と数値実験については、大学院生の水谷俊とエアリードによる音波の生成に関する研究を行い、PCによる使い勝手の良いフロントエンドの作成を含む計算手法の開発と数値実験を通して、ジェットの不安定性や音響アナロジーによる音波の発生を確認し、これらの研究成果を研究集会で発表した。また、アンテナの数理モデルの検討と数値計算手法の開発については、大学院生の大井祥栄と共同研究を進め、完全吸収層(PML)を伴うFDTD法による電磁場の3次元計算プログラムを作成し、高電気伝導度モデルによる完全導体の近似手法を考案し、デルタギャップ給電法によるアンテナからの電磁波の放射現象のシミュレーションに成功した。これらの成果は領域分割法国際会議DD19において発表し講演論文集に採録されることになった。さらに、関連する問題の数値手法の開発については、分担者の今村俊幸により、マルチコアに特化した固有値計算アルゴリズムの研究がおこなわれ、マルチコアを意識した高効率な固有値ソルバの並列アルゴリズムの開発と実装について検討が進んだ。また、今後の波動問題に対する並列計算を行うための基礎的研究として、マルチコアの一例であるGPGPUを用いた多重極展開の高速計算について研究した。
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Research Products
(9 results)