2011 Fiscal Year Annual Research Report
波動伝播現象の数値解法と情報・エネルギー伝達問題への応用に関する研究
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21540116
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
加古 孝 電気通信大学, 大学院・情報理工学研究科, 教授 (30012488)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今村 俊幸 電気通信大学, 大学院・情報理工学研究科, 准教授 (60361838)
小山 大介 電気通信大学, 大学院・情報理工学研究科, 助教 (60251708)
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Keywords | 波動伝搬 / 数値計算 / FDTD法 / アンテナ / DtN有限要素法 / マルチコア分散並列 / PML / 複素共鳴固有値 |
Research Abstract |
最終年度の本年度は、4つの研究課題に対して研究を進め、研究成果を国内外の研究集会で発表するとともに論文等で公表した。特に、平成24年3月には本科学研究費のサポートの下で国際的なワークショップを開催し、研究成果の発表と集会参加者による評価も参考に研究成果の確認を行った。個別の研究成果としては、代表者加古は、大学院生とともに電磁波放射散乱に関わるアンテナの数上理モデルの確立と数値計算手法の応用について研究を進め、放射電磁波の計算方法について高電気電導度モデルでアンテナ領域を捉えるなどの基本的な計算方法の確立し、それに基づく一連の数値計算を行い、既存の数値結果との照合なども行った上で、研究成果を国際会議の会議録で公表した。また、音声生成問題と地震波伝搬問題に共通する波動伝搬の計算方法を研究し、無限遠を扱うためのPML領域の導入法の有効性を数値的に確認しつつ、これらの問題に付随してあらわれる複素共鳴固有値の重要性について明らかにした。また研究成果は研究集会等で発表し論文としてまとめる作業に入っている。分担者の小山は3次元的線形水面波の散乱問題に対するDtN有限要素法の事前誤差評価の導出して論文として投稿した。その導出過程において無限級数で表現されるDtN境界条件の打ち切り誤差を評価するためにHankel関数と変形Bessel関数の新たな性質を証明した。関連する並列計算アルゴリズムの開発として、分担者の今村は大規模な固有値解析のための実対称固有値ソルバーをマルチコア分散並列計算機ならびにGPU上で実装した。また、通信やマルチスレッド最適化アルゴリズムなどを提案・実装し、従来にない高性能な固有値ソルバーの開発に成功した。
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Research Products
(6 results)