2009 Fiscal Year Annual Research Report
エレメンタリーサブモデルによる位相空間とその積空間の被覆性の考察
Project/Area Number |
21540149
|
Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
矢島 幸信 Kanagawa University, 工学部, 教授 (10142548)
|
Keywords | エレメンタリーサブモデル / 位相空間 / 積空間 / 被覆性 / 正規性 / ZFC |
Research Abstract |
最近の位相空間論においては、難しい問題は集合論による公理や強正法などの集合論的手法に頼って、解決に向けて進む傾向にある。それはそれで自然な流れであるが、位相空間論の問題は、何の公理も用いることなくZFCの範疇で解決できることが理想である。そこで、手段としては集合論的手法を用いるけれども、最後は位相空間論の結果として証明できることが望ましい。その手段の第一候補が、エレメンタリーサブモデルである。当該年度は、エレメンタリーサブモデルの使用法の習得に力点を置いた。様々な使用例の中で、特に位相空間の被覆性の証明にどのように使っているかの理解に重点を置いた。これはZoltan Baloghの最も得意とした研究対象であるが、彼は8年も前に亡くなっており、彼の後を継いで研究を進めることができる研究者はほとんどいない。彼は大きな問題をいくつも解決しており、生きていればもっと業績を残せたに違いない。その彼のやり残した問題を少しでも解決するのが、ここでの大きな目的である。その第一歩であるエレメンタリーサブモデルの習得は、満足のいくところまで行くことができなかった。既知の結果をエレメンタリーサブモデルを使って証明し直す作業は、思ったより進まず予想以上に困難であった。やはり、この道具を実際に使って新しい結果を証明しないと、自分のものにしたという感覚は得られない。従って、別証明により習得することだけでなく、それと同時に自分の最も得意である積空間の被覆性や正規性の研究に利用することを中心に考える必要性を強く感じた。
|
Research Products
(4 results)